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具体的に表現するには?ー「ロジカル・ライティング」

公開日:2017年9月6日

今回は、「具体的に表現する」ということについて書きたいと思います。

 

「具体的に表現する」はセールスコピーライティングだけでなく、企画書やレポートなどのビジネス文書において読み手に伝えたいことを理解してもらうためにとても重要です。

 

「具体的に表現する」とはどういうことか?

 

どうすれば、「具体的に表現」できるのか?

 

悩んだ時期がありました。

 

師匠からもっと「具体的に書きなさい」って言われていました。

 

その時には、どうすれば具体的に書けるかが全然わからなかったので、「具体的に書く方法」を具体的に説明して欲しい!って心の中で呟いていたことを思い出します。^^

 

ちょ〜どそんな時に、見つけた本があります。

 

それは、経営コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーでエディティングサービス(コンサルタントにレポートの書き方などを指導)されている照屋華子さんの「ロジカル・ライティング」(東洋経済新報社)です。

 

ビジネスレポートを対象としているので、少し硬い内容になりますが、「具体的に表現する」ことを理解するための良書だと思います。

ロジカル・ライティング」から抜粋してご紹介します。

 

 

「具体的に表現する」には

 

ロジカル・ライティング」では、「具体的に表現する」ために2つのことが必要。

 

一つ目が、物事の「中身」を表すこと

 

もう一つが、曖昧な表現になりがちな言葉や表記方法に注意すること

 
 

物事の「中身」を表す

 

物事の「中身」を表すには、変化、アクション、付帯条件、判断基準という4つのポイントがある。

 
 

「変化」の中身を表現する

 

「変化」を表現する時には、「何が何から何へと変わるのか(変わったのか)」という、変化のbefore/afterを読み手が掴めるように書く。

 

例えば、「ライフスタイルの変化」と書くのではなく、「携帯電話の普及とともに、携帯電話を時計代わりに使う人が増え、腕時計を持たない人が増えている」などと表現した方が何のことかわかると思います。

 
 

「アクション」の中身を表現する

 

アクションを説明するときは、「誰が・何を・どうするのか」をしっかりと明示する。

 

例えば、「操作マニュアルを作成、徹底する」ではなく、「操作マニュアルを作成し、社内業務とその担当部署に関する、オペレーターの理解を徹底させる」のように説明する。

 
 

「付帯条件」の中身を表現する

 

付帯条件という難しい言葉が出てきましたので説明します。

 

「基本的にAだが、場合によってはB」とか「原則としてAだが、状況によってはB」という場合の「場合によってはB」や「状況によってはB」を付帯条件というようです。

 

「付帯条件」の中身を表現するとは、

 

例えば、「市場動向に応じて」と書くのではなく、「製品Aの年間生産量が10万個以上になった場合には」というように表現すると明確になります。

 
 

「判断基準」の中身を表現する

 

何が判断基準かを伝える時には、「その項目がどうなっていればよしとするのか」まで説明すると、基準の中身を読み手と具体的に共有できる。

 

例えば、「業者の仕様変更力を重視する」と書くのではなく、「業者の仕様変更の柔軟性を重視する」などと書いた方が判断基準が伝わりやすいと思います。

 
 

曖昧な言葉や表記方法に注意する

 

「具体的に表現する」ために、物事の「中身」を表すこととともにもう一つ大事なことは、曖昧な説明にとどまりがちな、特定の言葉や表記方法に注意すること。

 

特に、注意したい言葉や表記方法の3つのパターン。

 

「人によって解釈に幅がある言葉」に注意する

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「真の企業価値経営」のように抽象的な概念や「リストラクチャリング」のように、使う人や組織、あるいは文脈によって異なる意味を持ちうる言葉は、初出箇所で定義しよう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

似て非なる言葉を、それぞれ異なる意味で使うならば、意味の定義が必要だ。同じ意味ならどちらかの言葉に統一しよう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

※解説をそのまま引用。

 

 

「体言止め」に注意する

 

体言止めとは、「重点顧客の絞り込み」のように最後が名詞や名詞化した表記で終わる表現のこと。

 

体言止めを列挙すると、「何が・なぜ・どうなっているのか」が伝わりにくいため、なるべく文の形にした方が伝わりやすくなります。

 

例えば、「割高な価格」というよりも「設定価格が競合に比べ2割程度高い」と書いた方がわかりやすいですよね。

 
 

否定形で終わる表現に注意する

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「XはAではない」と書いてあれば、読み手は、「では、Xは何なのか、Bなのか、Cなのか」と考えるものだ。自分の書いたものが「XはAではない」と否定形の説明で終わっていたら、「XはBである」「XはCである」というように、肯定形で説明できるかどうか考えてみよう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

例えば、「花粉症に悩む患者が、抗アレルギー材に求めるものは、もはや効き目だけではない」で終わるのではなく、

 

「花粉症に悩む患者が、抗アレルギー材に求めるものは、もはや効き目だけではない。眠気などの副作用の少なさや、1日の服用回数が少なくてすむという利便性も重視するようになっている。」

 

と書いた方が読み手はXについて具体的なイメージを持つことができます。

 

 

まとめ

 

経営コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーでエディティングサービス(コンサルタントにレポートの書き方などを指導)されている照屋華子さんの「ロジカル・ライティング」(東洋経済新報社)をご紹介しました。

 

経営コンサルタントの方が書かれた本なので、少し難しかったかもしれません。

 

ただ、「具体的に表現する」ということに関して、それこそ「具体的」にポイントを紹介いただいているのでとても参考になります。

 

ロジカル・ライティング」では、他にも論理的にわかりやすく書くスキルが紹介されています。「2時間で読める!」感じの本ではないですが、一読されることをオススメします。

この記事を書いた人

尾畠悠樹
尾畠悠樹代表/ITコーディネーター
システム開発と製造業のDX推進、製造業の企業価値を高めるプラットフォーム/ファクトリーサーチの運営を中心に、東京と名古屋を拠点に活動しています。
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