進化する民泊(その2)突破口を開く「特区民泊」と「民泊新法」とは?

民泊イメージ

不動産業・建築業専門セールスコピーライターの
尾畠悠樹です。

前回は、民泊シリーズの1回目として、従来の民泊である「簡易宿所営業」について取り上げました。

そして、「簡易宿所営業」での民泊許可には、大きな課題があります。

「旅館業法」である簡易宿所営業で、民泊許可を得るためには、建築基準法や消防法などの「厳しい条件」をクリアしなければなりません。

民泊は、外国人旅行客の増加などによる、宿泊施設不足の解決策として期待されていながら、旅館業法による「厳しい条件」のための思うように伸びないという課題がありました。

そこで、民泊伸び悩みの突破口とすべく作られたのが、「特区民泊」と「民泊新法」です。

民泊シリーズの2回目となる今回は、民泊営業の例外「特区民泊」と6月15日に施行される「新民泊法」について取り上げたいと思います。

特区民泊とは?

特区民泊とは、国家戦略特別区域(特区)では、民泊が旅館業法の適用外となることです。

国家戦略特別区域(特区)とは、Wikipediaによると、

国家戦略特別区域(こっかせんりゃくとくべつくいき)とは、日本経済再生本部からの提案を受け、第2次安倍内閣が成長戦略の柱の一つとして掲げ、国家戦略特別区域法2条で地域振興と国際競争力向上を目的に規定された経済特区である。国家戦略特区(こっかせんりゃくとっく)と略される。
あらゆる岩盤規制を打ち抜く突破口とするために、内閣総理大臣が主導して、地域を絞ってエリア内に限り従来の規制を大幅に緩めることを目的とする。また、この区域は「解雇ルール」、「労働時間法制」、「有期雇用制度」の3点の見直しを対象としている。

国家戦略特別区域(特区)で、岩盤規制を打ち砕くための大幅な規制緩和が、民泊にも適用されたのが「特区民泊」です。
 
特区では、「旅館業法」に代わり、「国家戦略特別区域法」が適用されます。

国家戦略特別区域法の第13条で、民泊は以下のように定められています。

国家戦略特区において外国人旅客の滞在に適した施設を賃貸借契約に基づき条例で定めた期間(3日~10日)以上使用させ、滞在に必要な役務を提供する事業として政令で定める要件に該当するもの

ここで、「外国人旅客」と表記されていますが、滞在するのは日本人でも問題ありません。

国家戦略特別区域法施行令の第12条では、民泊の具体的な要件が以下のとおり定められています。

○賃貸借契約及びこれに付随する契約に基づき使用させるもの
○施設使用期間:3日から10日までにおいて条例で定める期間以上
○居室の要件:
 ・原則として25平方メートル以上
 ・出入口の鍵を有し、他の居室との境は壁造りである
 ・適当な換気、採光、照明、防湿、排水、暖房及び冷房の設備を有する
 ・台所、浴室、便所及び洗面設備を有する
 ・寝具、テーブル、椅子、収納家具、調理器具、清掃器具を有する
 ・施設の使用の開始時に清潔な居室を提供する
○外国語による利用案内、緊急時の情報提供、その他の外国人旅客の滞在に必要な役務の提供を行うこと

旅館業法の「簡易宿所営業」と比較して、許可基準のハードルは低くなっています。

そして国家戦略特別区域法施行令の「特区民泊の要件」を、満たしているかどうか認定する際の基準が「認定基準」です。

国家戦略特区内で特区民泊を実施するためには、所在地の知事等の定めた「認定基準」を満たして認定を得ることが必要です。

現在、特区民泊が行われているのは、国家戦略特別区域のうち「認定基準」がある、東京都大田区、大阪府、大阪府大阪市です。

特区民泊が許可されるのは、ごく限られた地域であるのが現状です。

地域が限定される特区民泊に対し、民泊に対応した新しい法律を制定して、全国的に民泊参入のハードルを下げるのが、次の「新民泊法」です。

新民泊法とは?

新民泊法(正式名称:住宅宿泊事業法)は、平成29年6月に成立し、平成30年6月15日に施行されます。

新民泊法には、民泊参入のハードルを下げるとともに、増加する近隣トラブルに対応するため一定のルールを定め、健全な民泊サービスの普及を図るという目的があります。

新民泊法の概要について、観光庁の民泊制度ポータルサイトから抜粋しました。

3つの事業者

ここでは、民泊事業に関わる3つの事業者が定められています。

1.住宅宿泊事業者(都道府県知事等の監督を受ける)
  住宅宿泊事業法第3条第1項の届出をして、住宅宿泊事業を営む者
  不動産賃貸業で言うところの、オーナー様(大家さん)です。
 
2.住宅宿泊管理業者(国土交通大臣の監督を受ける)
  住宅宿泊事業法第22条第1項の登録を受けて、住宅宿泊管理業を営む者
  (宿泊業者が不在の場合)
  不動産賃貸業で言うところの、管理会社様です。

3.住宅宿泊仲介業者(観光庁長官の監督を受ける)
  住宅宿泊事業法第46条第1項の登録を受けて、住宅宿泊仲介業を営む者
  不動産賃貸業で言うところの、不動産物件情報サイト(仲介サイト)の運営者様です。

宿泊期間

新民泊法では、年間提供日数の上限が定められ、180日となっています。
180日を超える場合は、新民泊法の適用外となり、従来の旅館業法の「簡易宿所」で届ける必要があります。

住宅の設備要件

「台所」「浴室」「便所」「洗面設備」があること。

住宅の居住要件

1.現に人の生活の本拠として使用されている家屋
2.入居者の募集が行われている家屋
3.随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋

2の要件から、アパートや賃貸用マンションが対象に含まれます。
 
 
衆議院ホームページ「住宅宿泊事業法案」はこちら
観光庁「住宅宿泊事業法の全文」はこちら
観光庁「住宅宿泊事業法の概要」はこちら

まとめ

従来の民泊許可要件である「簡易宿所営業」は、厳しい条件をクリアしなければならないので、許可が取りにくいという課題があります。

その課題を解決するために規制を緩和して、民泊参入のハードルを下げたのが、「特区民泊」と「民泊新法」です。

「特区民泊」によって民泊が許可されるのは、国家戦略特別区域(特区)の一部で、ごく限られた地域です。

それに対して「民泊新法」による民泊は、地域を限定せずに全国どこでもできます。

民泊新法では、対象に「入居者の募集が行われている家屋」が含まれることから、賃貸用住宅も対象となり、不動産業への活用も期待できます。

今回は、「特区民泊」と「民泊新法」について取り上げました。

次回は、民泊新法による不動産業への活用方法と、実際の手続きについて取り上げたいと思います。


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