進化する木造建築

不動産業・建築業専門セールスコピーライターの
尾畠悠樹です。

ここ数年、地震を始めとする大規模な自然災害が続いています。

地震や台風などの自然災害や、火災への備えという面で考えると、木造建築は鉄筋・鉄骨コンクリート建築に比べると、弱いというイメージがあります。

しかし、木造建築には「自然と人間の共生」という面で、鉄筋・鉄骨コンクリート建築よりも優れた特徴を持っています。

そして、最近の技術の進歩により、地震や火災に強い木造建築が開発されています。

そこで今回は、木造建築の進化について、歴史を交えながら取り上げていきたいと思います。

日本の住宅は木造が主流

日本の統計が閲覧できる政府統計ポータルサイトによると、平成28年度の新設住宅97万4137戸のうち、56%に当たる54万9263戸が木造住宅です。

この数字には鉄筋・鉄骨系の集合住宅なども含まれているので、戸建住宅に限定するとさらに木造住宅率は高くなります。

日本の戸建住宅は、まだまだ木造が主流と言えます。

日本の住宅寿命は、欧米の約3分の1

木造が主流の日本の戸建て住宅は、欧米と比べて短いと言われています。

欧米の住宅寿命が、90~100年であるのに対して、30年と言われています。

住宅そのものの寿命は30年以上あるのですが、寿命を迎える前に建て替えるなどで、平均値を下げているようです。

欧米では家を大切に使って、子や孫の世代に伝えるという考え方が中心のようですが、日本では世代交代に合わせて建て替える場合が多いようです。

建築の歴史を見ると、ヨーロッパの建築は「石の文化」と言われ、数百年前の歴史的建造物が多く残っています。

一方で、日本の建築は「木の文化」と言われますが、歴史的建造物で1000年以上保たれている建物があります。

現存する世界最古の木造建築物は、1300年の歴史を誇る法隆寺

日本に現存する世界最古の木造建築が、歴史の教科書にも載っている有名な「法隆寺」です。

法隆寺は聖徳太子が創建し、日本で初めてユネスコの世界遺産に登録されたことでも知られています。

木造である日本の建築物の歴史は、火災との戦いの歴史でもあり、法隆寺も火災の危機に直面しています。

日本書紀によると、法隆寺は607年に創建された後、670年に落雷による火災で全焼したとの記述があるそうです。

そして近年の科学的調査で、使用されている木材の伐採時期は650年代から690年代のものが多いことが分かり、少なくとも1300年以上は木材が持ちこたえていることが分かります。

法隆寺が1300年維持されている背景には、適切なメンテナンスの他に、火災を防ぐ賢明な努力があったのではないでしょうか。

現代にも生かされる五重塔の耐震性能

木造建築にとって、火災と並ぶ大きな敵が「地震」です。

法隆寺で現存する最も古い木材が、五重塔の心柱で約1400年前の、594年に伐採されたそうです。

実はこの五重塔が、近年の研究で耐震性能にも優れていることが分かり、その構造が東京スカイツリーなどの現代の最新の建築物にも生かされているそうです。

・(株)日建設計さんのホームページ「東京スカイツリー 構造技術の紹介」はこちら

・(有)プラント地震防災アソシエイツさんのホームページ「五重塔は耐震設計の教科書」はこちら

五重塔の実例から、木造建築は構造によって耐震性を高められることが分かります。

そして近年技術進歩により、木造建築の耐震性は向上しています。

それにしても、1400年の歴史を誇る五重塔の耐震技術が、最新の東京スカイツリーに生かされているとは驚きですね。

火災を克服する木造建築

法隆寺の実例からも、木造建築は火災を防げれば、ヨーロッパの石の建築物と同じくらい長持することが分かります。

木造建築の大きな弱点が火災です。

しかし、素材としての木材は、火に対しては鉄よりも強い側面を持っています。

建築用の太い木材は、火にさらされると表面が炭化し、内部に熱を伝えにくくすることで、ある程度火災に持ちこたえます。

一方、鉄骨に使われる鉄は熱が伝わりやすいため、火災による温度上昇がにより強度が低下し、「崩壊温度」と呼ばれる550℃を超えると、倒壊の恐れがあります。

そのため、鉄骨コンクリートの耐火構造では、鉄の温度上昇を防止するための断熱材が、柱と梁に取り付けられています。

その他にも、木には、鉄やコンクリートよりも優れた性質が多くあります。

最近の技術革新により、木材のもつ優れた性質を生かして、火災に強い木造の建築技術が開発されています。

建設が進む木造高層ビル

建築物の「高さ」の面でも、木造建築は進化を続けています。

従来は、3階建てまでが主流だった木造建築ですが、欧米では10階建てを超える高層木造ビルの建設が始まっています。

日本でも、(財)日本木造住宅産業協会さんが、木造軸組工法による2時間耐火構造大臣認定を取得し、木造14階建以下の建物が建築可能となり、木造高層ビルの建設に向けた動きがあります。

・(財)日本木造住宅産業協会さんのホームページ
 木造高層建築が許可される要件となる「2時間耐火構造」の詳細はこちら

木造の超高層ビルも夢ではない?!

さらには、高層ビルを超えた木造超高層ビルの建設計画も持ち上がっています。

欧米では、木造超高層ビルの計画建てられていますが、日本でも負けてはいません。

300年以上の歴史をほこる「木材」にゆかりの深い大手住宅メーカーさんが木造超高層ビルの建設へ向けて動き始めています。

木造住宅メーカー大手の住友林業さんが、300メートルを超える木造超高層ビルの構想を発表しました。

以下、木造高層ビル構想の内容をITmedia ビジネスオンラインさんの記事「木造超高層ビルは建つか 住友林業が打ち出す構想とは」から抜粋引用します。

2041年、大木のような超高層ビルが誕生するかもしれない。住友林業が木造の超高層ビルを建設する構想を発表し、話題を呼んでいる。高さは350メートル、地上70階建て。現在、国内にあるどの高層ビルよりも高い。どのような計画なのだろうか。同社に聞いた。

木材9割の構造

現在、国内で最も高いビルは、約300メートルの「あべのハルカス」(大阪市)。三菱地所がそれよりもさらに高い約390メートルの高層ビルをJR東京駅前に建設する計画もある。高さ350メートルは日本トップレベルの高層建築。それを木造で実現しようとするのが、住友林業が公表した構想「W350計画」だ。
41年に創業350周年を迎えることから、高さ350メートルを目標として設定した。建築面積は6500平方メートル、総工費は約6000億円になると試算している。建物は店舗、オフィス、ホテル、住宅として利用する想定だという。

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まとめ

日本の戸建て住宅の主流は木造住宅ですが、住宅寿命は欧米の約3分の1の30年と、短いのが特徴です。

住宅を始めとする木造建築物は、寿命が短い傾向がありましたが、法隆寺の実例や近年の木造建築技術の進歩により、地震や火災に強く長持ちする木造建築も可能となってきています。

木造建築の高層化は世界的に始まっていて、欧米ではすでに10階建て以上の高層木造ビルが建設されているほか、日本でも(財)日本木造住宅産業協会さんが、木造高層ビル建設の許可を受けています。

高層を超えた木造超高層ビルの建設計画も世界的に始まっており、日本でも住友林業産が350メートルの木造超高層ビルの建設構想を発表しました。

現在の高層ビルや超高層ビルは、「自然と人間の共生」の面で課題を抱えています。

木造の高層ビルや超高層ビルは、それらの「自然と人間の共生」の面での問題への解決策として期待出来そうですね。

僕たちの子供や孫の時代には、大都市に木造の高層ビルや超高層ビルが林立し、東京、大阪、名古屋を始めとする大都市が、「自然と人間の共生」を実現した潤いある都市に生まれ変わる日が来るかもしれませんね。


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