木造住宅と耐震基準

不動産業・建築業専門セールスコピーライターの
尾畠悠樹です。

建築物の耐震強度において現行の新耐震基準を満たしていても、木造建築物が鉄筋・鉄骨コンクリート建築物に比べて弱い点が、とり取り沙汰されています。

発端となったのは、記憶に新しい2016年の熊本大地震において、新耐震基準を満たしている木造住宅にも一定の被害があったことです。

そこで今回は、木造住宅の耐震基準について取り上げたいと思います。

新旧耐震基準の違いとは?

現行の耐震基準は、1981年5月に規定された新耐震基準です。

1981年5月以前の旧耐震基準では「震度5強程度の中規模地震で倒壊を免れる」強度が義務づけられていましたが、震度6強以上の大規模地震は想定されていませんでした。

新耐震基準が制定されるきっかけとなったのは、1978年6月12日に発生した宮城県沖地震です。

宮城県沖地震において家屋倒壊被害が大きかったことを受けて、旧耐震基準から大幅に改正した新耐震基準が制定されました。

この改正により、建築物は「震度5強程度の中規模地震では軽微な損傷、震度6強から7程度の大規模地震でも倒壊は免れる」強度が義務づけられました。

木造住宅の2000年基準

現行の新耐震基準においても、1995年の阪神・淡路大震災で多くの木造住宅が倒壊したことから、木造住宅においてその耐震基準が見直されました。

2000年に基準が見直されたことから、2000年基準と呼ばれています。

2000年基準の変更点は、「地盤に適応した基礎の設計」、「柱など建物の接合部に金具取り付け」、「耐力壁の偏りのない配置」など、新耐震基準のあいまいだった部分をより具体的に表記し直して、耐震性の強化が図られたことです。

耐震等級とは?

耐震基準は最低限の基準であり、より地震に強い住宅を作るためには、耐震基準をさらに上回る強度を持たせる必要があります。

そこで耐震基準の他に、もう一つ使われる耐震性能を表すめやすが耐震等級です。

耐震等級とは住宅性能表示制度および耐震診断により、建物がどの程度の地震に耐えられるかを示す等級です。

耐震等級は耐震基準を元に作られていて、3段階にランクが分かれています

耐震等級1

耐震基準レベルの建物強さ

・数百年に1度程度発生する大地震に対して倒壊・崩壊等しない程度
・数十年に1度程度発生する中地震でも損傷しない程度

耐震等級2

耐震基準レベルの1.25倍の建物強さ

・数百年に1度程度発生する大地震の地震力の、1.25倍の力に対して倒壊・崩壊等しない程度
・数十年に1度程度発生する中地震の地震力の、1.25倍の力に対して損傷しない程度

耐震等級3

耐震基準レベルの1.5倍の建物強さ

・数百年に1度程度発生する大地震の地震力の、1.5倍の力に対して倒壊・崩壊等しない程度
・数十年に1度程度発生する中地震の地震力の、1.5倍の力に対して損傷しない程度

新耐震基準でも倒壊する木造住宅とその対策

冒頭でもお話ししたとおり、新耐震基準やそれを元に作られた耐震等級を満たしていても、木造住宅が倒壊するケースが発生しています。

2年前の、熊本大地震における新耐震基準の木造住宅の被害状況とその対策について、(財)日本建築防災協会さんの耐震ポータルサイトから引用します。

平成28年熊本地震においては、昭和56年5月以前の旧耐震基準により建てられた木造住宅に大きな被害があったと共に、新耐震基準導入後の昭和56年6月から平成12年5月までに建てられた木造住宅にも一定の被害があったことが確認されました。この原因として、柱とはり等との接合部の接合方法が不十分であったことなどが指摘されています。

 本協会は国土交通省から依頼を受け、昭和56年6月から平成12年5月までに建てられた木造住宅を対象として、耐震診断よりも効率的に耐震性能を検証する方法(新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法。略称「新耐震木造住宅検証法」)を作成いたしました。

日本建築防災協会さんが作成した「新耐震木造住宅検証法」では、建物の所有者の方がチェック表に基づいて項目のチェックを行います。

チェック表によるチェックの最初の段階で、専門家の判定が必要かどうかの判断が出来ます。

専門家の判定が必要と判断された場合は、さらにチェックを続けてその結果を、「木造耐震改修技術者講習」を受講した専門家に送付して鑑定を依頼することで、効率的に耐震性能を診断できます。

今後、熊本大地震に匹敵する大地震が発生した場合、2000年基準以前の木造住宅の被害が懸念されます。

防災面から「新耐震木造住宅検証法」でより早く効率的に診断を行うことは、被害の拡大を軽減するためにも重要となってくるでしょう。

・(財)日本建築防災協会さんの耐震ポータルサイトはこちら

・所有者向け「木造住宅の耐震性能チェック」はこちら

・平成30年度「木造耐震改修技術者講習」開催のご案内はこちら
(本講義の2日目に「新耐震木造住宅検証法」の解説が実施されます)

まとめ

現行の新耐震基準は、1978年に発生した宮城県沖地震をきっかけに、1981年に制定されました。

旧耐震基準が中規模地震で倒壊しないように定めていたのに対して、新耐震基準では大規模地震で倒壊しないように改正されました。

新耐震基準のうち木造住宅の耐震基準において、1995年の阪神淡路大震災をきっかけに、2000年基準と呼ばれる見直しが行われました。

2016年の熊本大地震では旧耐震基準の木造住宅だけでなく、新耐震基準でも2000年基準に該当しない木造住宅に一定の被害があったことから「新耐震木造住宅検証法」による早期対策が望まれます。

鉄筋・鉄骨コンクリート建築に比べて、木造建築は地震による被害が受けやすい傾向があるので、「新耐震木造住宅検証法」による対策が早く進むことを願いたいですね。


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