拡大する中古住宅市場とその課題

不動産業・建築業専門セールスコピーライターの
尾畠悠樹です。

今回は、中古住宅について取り上げたいと思います。

中古住宅市場の拡大は、国が先頭に立って推進している政策の1つです。

中古住宅市場の拡大は、空き家問題の解決や高齢化社会への対応などの、社会問題の解決策としても期待されています。

しかし、そのためには解決しなければならない、多くの課題があるようです。

そこで、今回は中古住宅市場の抱える問題と解決策について、国の住宅計画である「住生活基本計画」を見ながら取り上げたいと思います。

住生活基本計画とは?

国土交通省によると、住生活基本計画とは2006年に施行された「住生活基本法」に基づいて策定された、国民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する基本的な計画です。

2006年に最初の住生活基本計画が策定され、社会情勢の変化や計画による施策の効果などを見ながら、5年ごとに見直し改正が行われています。

最新の住生活基本計画は、2016年の見直しにより策定されています。

・最新の住生活基本計画(全国計画)のポイントはこちら

・最新の住生活基本計画(全国計画)(概要)はこちら

・最新の住生活基本計画(全国計画)(本文)はこちら

・参考資料はこちら

8つの目標のうちの1つが中古住宅関連

住生活基本計画では、(1)居住者からの視点、(2)住宅ストックからの視点、(3)産業・地域からの視点、の3つの視点から、合計8つの目標が定められています。

そのうち中古住宅市場の拡大に深く関わる目標が「(2)住宅ストックからの視点」の目標の1つである「住宅すごろくを超える新たな住宅循環システムの構築」です。

目標の具体的な内容を、住生活基本計画から引用します。

目標:住宅すごろくを超える新たな住宅循環システムの構築

1.「住宅すごろく」(住宅購入でゴール)を超えて、適切な維持管理やリフォームの実施により、価値が低下せず、魅力が市場で評価され、流通することにより、資産として次の世代に承継されていく新たな流れの創出

2.リフォーム投資の拡大と住み替え需要の喚起により、多様な居住ニーズに対応するとともに、人口減少時代の住宅市場の新たな牽引力を創出

基本的な施策

1.資産としての価値を形成するための施策の総合的な実施

(1)建物状況調査(インスペクション)、住宅瑕疵保険等を活用した品質確保

(2)建物状況調査(インスペクション)の人材育成や非破壊検査活用等による検査の質の確保・向上

(3)住宅性能表示、住宅履歴情報等を活用した消費者への情報提供の充実

(4)消費者が住みたい・買いたいと思うような既存住宅の「品質+魅力」の向上(外壁・内装のリフォーム、デザイン等)

(5)既存住宅の価値向上を反映した評価方法の普及・定着

2.長期優良住宅等の良質で安全な新築住宅の供給

3.住宅を担保とした資金調達を行える住宅金融市場の整備・育成

今までのいわゆる「住宅すごろく」では、一戸建ての家を購入した時点で「ゴール」だったものを「中間地点」ととらえて、将来に中古住宅として市場に出回ることを想定して、リフォームなどで価値を維持することを目指していることが読み取れます。

中古住宅市場拡大の課題と解決策とは?

このように、国が先頭に立って推進している中古住宅市場の拡大ですが、課題もあるようです。

課題とその解決策について、2013年に国土交通省が中心になって取りまとめた「中古住宅の流通促進・活用に関する研究会」の報告書から見ていきたいと思います。

この報告書の内容が、現在の住生活基本計画に多く反映されていると思われます。

・第1回中古住宅の流通促進・活用に関する研究会の資料はこちら

・中古住宅の流通促進・活用に関する研究会報告書はこちら

課題

以下、「中古住宅の流通促進・活用に関する研究会報告書」から引用します。

日米英の住宅市場比較と我が国中古住宅流通市場の課題

・中古住宅の価格評価は、英米では土地・建物一体で取引事例比較法により行われ、時間に伴う価値の増価の可能性もあるのに対し、我が国では、戸建住宅の場合、建物と土地が別個に評価され、建物は一律に経年減価させる形で原価法により評価。

・流通市場においては、英米ではインスペクションの実施などを含めて買主責任が徹底される一方で、売主に対し、情報提供の義務が課されることが一般的。

・これまで、平成24年3月に「中古住宅・リフォームトータルプラン」が策定され、平成32年までに市場規模の倍増を目指して取組がなされているが、引き続き、i)中古住宅評価の適正化、ii)中古住宅の質に対する不安の解消、iii)中古住宅流通上の障害除去、iv)住宅ストックの活用の面で課題が存在。

中古住宅の流通が盛んな欧米と比較して、建物の評価方法の違いが日本の中古住宅流通の、伸び悩みの原因になっていると読み取れます。

報告書では、この課題に対する解決策として3方向からの提言を行っています。

提言(解決策)1

以下、同報告書から引用します。

中古住宅の適切な建物評価を目指した評価手法の抜本的改善

・戸建住宅の建物評価は原価法により行われるが、減価修正に用いる耐用年数の設定において、木造住宅の場合、税法上の耐用年数等を参考に約20~25 年が用いられる。

・近年の戸建住宅取引・賃貸市場において、築30年以上の物件のウェイトが大幅に増大しており、上記のような評価のあり方は利用実態を反映していない。

・こうした評価の影響もあって、日本では住宅投資の累計額より500兆円程度下回る住宅 ストックしか形成されていないのに対し、米国ではストック額が投資累計額を上回る。

・木造戸建は約20年で価値ゼロという「常識」が中古住宅流通市場にも担保評価にもいわば「共有」されており、相互に悪循環を招いている。こうした「市場の失敗」を是正するために、原価法を抜本的に改善し、建物評価の適正化を図ることが必要。

(1)建物の科目別(躯体、内装等)に単価と構成比を求めて再調達原価を精緻化

(2)経年で一律減価する手法を改め、科目別期待耐用年数を基に建物の期待耐用年数を算出
当然ながら、これらの「改善」は実務で用いられるように行うことが重要。

・上記原価法の改善と併せ、リフォームによる質の向上を金融機関が行う担保評価に反映するための評価方法等を整備する取組を支援するとともに、戸建賃貸住宅の賃料データ 等を行いて、原価法による建物評価額と市場・実務での評価額の関係を DCF 法等により検証。

建物評価の基準となる「原価法」を改めることにより、築20年、30年以上経過した建物の評価額を上げる方向性が読み取れます。

提言(解決策)2

以下、同報告書から引用します。

市場プレイヤーの行動に働きかけ、中古住宅流通市場を改善する方策

・情報の充実等により消費者が安心して取引できる環境づくりを行うため、今般策定された「インスペクション・ガイドライン」に沿ったインスペクションの普及・促進、売主による情報提供や住宅履歴情報の充実、瑕疵保険の充実・合理化を行うほか、以下の取組により耐震性や省エネ性等に関するラベリング制度を充実。

(1)リフォームした既存住宅を長期優良住宅等として評価・認定する仕組みを整備し、予算・税制・融資等のインセンティブ付けを検討。

(2)検査済証のない中古住宅を対象として金融機関が融資する際の民間機関による法適合証明手続きの検討。

・中古住宅の流通時において、適確なリフォームが実施されることを促進する先進的な取組に対する以下の支援策を検討。

(1)一定の質の向上を伴うリフォーム事業を実施する買取再販事業者について、当該業者が不動産を取得する際の流通税軽減等を検討。

(2)一定の質の向上を伴うリフォームが住宅の取得後に行われる場合について、売り主による情報提供のインセンティブを付与しつつ、住宅ローン減税、流通税、贈与税等の特例の適用対象とすることを検討。

(3)事業者間連携によるワンストップサービス等の取組を強化。

中古住宅の流通を活性化する「仕組みづくり」をバックアップしていく方向性が読み取れます。

提言(解決策)3

以下、同報告書から引用します。

住宅金融市場へのアプローチ

・中古住宅の建物評価の改善に際しては、金融機関の担保評価もそれに伴って改善されることが必要。一方で、建物評価の改善は、戸建て住宅の建物部分を担保の対象とできるため、リフォームローンやリバースモーゲージなどの金融商品に大きな影響を与える可能性。

・金融庁において開催された「官民ラウンドテーブル」において、本研究会の検討に金融庁や金融機関が参画していることに言及した上で、金融機関の担保評価実務の改善等を通じ、高齢者の住宅資産をより積極的に活用できるようにすること等が提言された。

・一部金融機関では、上記「官民ラウンドテーブル」や本研究会での検討に呼応する形で新たなリバースモーゲージ商品の開発を発表。

・住宅金融支援機構、民間金融機関、不動産事業者等の中古住宅流通市場関係者等による「中古住宅市場活性化ラウンドテーブル(仮称)」)を設け、建物評価の改善等の中古住宅流通市場活性化に係る政策情報やリフォーム一ローン、リバースモーゲージ等の商品充実などについて、情報交換を行う。

中古住宅を購入するときにのローン制度の改善により、購入しやすい仕組み作りをする方向性が読み取れます。

新築住宅を購入する時と同じように、中古住宅を購入するときもローン制度が充実すれば、中古住宅を購入する方が今まで以上に増えそうですね。

まとめ

今回は、中古住宅市場の拡大について、その課題と解決策を政府の「住生活基本計画」と「中古住宅の流通促進・活用に関する研究会報告書」から見ていきました。

課題としては、築20年、30年と経過した建物の価値が、欧米と比較しても大幅に下がってしまう点があげられています。

そしてその解決策として、3つの提言がなされています。

解決策1:
建物評価の基準となる「原価法」を改めることにより、築20年、30年以上経過した建物の評価額を上げる。

解決策2:
中古住宅の流通を活性化する「仕組みづくり」を推進する。

解決策3
中古住宅を購入するときにのローン制度を改善し、より中古住宅を購入しやすくする。

僕たちセールスコピーライターとしては、解決策2の『中古住宅の流通を活性化する「仕組みづくり」を推進する』という部分で、お手伝いが出来るのではないかと思います。

セールスコピーライティングの技術を使って、中古住宅の価値を正しく伝えることでその流通活性化の、お力添えができるのではないかと感じます。

中古住宅の価値を正しく伝えるという面では、1月19日の記事『「不動産の価値」を引き出すオウンドメディア活用術』で取り上げた東京R不動産さんのサイトが参考になりそうです。


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