ものづくり(製造業)で常に意識しておきたい指標!稼働率と可動率とは?
公開日:2023年10月23日
近年の工場運営、および営業所の活動においても生産性の向上が課題となっています。そこで、今回は「ものづくり(製造業)」で気になるワードとして、稼働率と可動率の違いとその内容について解説していきます。この指標をご確認いただき、更なる工場運営、営業所の活動の参考にしてください。
稼働率と可動率の前に稼働時間とは?
はじめに、製造業における稼働時間について解説いたします。労働者であれば、実稼働時間は8時〜17時勤務のおよそ実働8時間が一般的です。製造業の「ものづくり」は基礎となる施設、設備とそれを操作させる労働者が必要になります。
設備を操作される時間が稼働時間となり、設備を最大限有効活用させるために労働者は二交替(16時間)や三交替(24時間)などのシフト制が組まれることが一般的です。三交替(24時間)であれば1日24時間のすべてを稼働時間に当てることが可能となります。
稼働率と可動率の違いについて
稼働率とは、ある時間内に労働者と設備が稼働していた時間の割合を表し、1日(24時間)で表現します。つまり、労働者と設備の実際の稼働時間を稼働可能時間1日(24時間)で割った値をいいます。
例えば、1日に24時間稼働可能な工場では、1日中稼働していた時間が二交替(16時間)だった場合、その稼働率は16 ÷ 24 = 0.67、つまり67%と表現します。
一方、可動率は、ある時間内に労働者と設備が稼働しているかどうかに関わらず、稼働できる状態にある時間の割合を表現します。
具体的には、定期的なメンテナンスや故障によって停止している時間を考慮せず、稼働可能な時間における実際の稼働時間を稼働可能時間で割った値をいいます。
例えば、一日に24時間稼働可能な工場であれば、1日中稼働していた時間が16時間であったとしても、その可動率は24 ÷ 24 = 1、つまり100%と表現します。
稼働率と可動率の違いとは、稼働率は実際の稼働状況を表し、可動率は稼働可能な状態であるかどうかを表します。
製造業において、稼働率や可動率は生産性を確認するための重要指標であることがわかります。
稼働率と可動率の重要性と与える影響について
稼働率の重要性
稼働率が高い状態では当然、「もの:商品」が多く作れる状態を示し、効率的に「ものづくり」ができている状況です。その状態では、労働者に関するコスト、設備に関するコスト、施設に関する運用コストなど、コストに対するパフォーマンスが十分に発揮されます。
また、「もの:商品」のリードタイムも読めることから納期に対するパフォーマンスも健全性を保て、納期遵守することが可能となり、お客様への信頼性向上に繋がります。
可動率の重要性
施設や設備が可動できない状態であれば、当然のように生産性は下がってしまいます。そのために生産ライン(労働者、施設や設備)の信頼性を向上し、可動率を高い状況にする必要があります。つまり労働者の環境改善や設備故障防止のための保守、保全など可動率を阻害する要因を最小限にして、生産ラインの信頼性を向上させることは健全な工場運営には重要となってきます。
稼働率と可動率を上げるには?
稼働率改善のアイデア
生産ラインのレイアウトを最適化することで、生産プロセスのムダ、ムラ、ムリなことを排除し効率化を図ることが可能となります。生産する「もの:商品」の動きを分析して、効率的な設備の設置位置や人の導線を確認して最適化を図ることは生産性向上に繋がります。
また、施設や設備の保守計画のスケジュールについて管理された状態を維持し、最適化することで、生産ラインの停止時間を減らすことができます。なお、作業員のトレーニングや作業手順の改善を日々行うことで、健全な生産ラインを維持することに繋がっていきます。
可動率の改善のアイデア
稼働率改善と同じことになりますが、保守作業を計画的に行うことで、施設や設備の故障や損傷を未然に防止できます。なお、設備の部品の在庫を適切に管理し、部品交換に必要な時間を確保しつつ、その時間を短縮する改善をすることが更なる可動率の改善に繋がります。
まとめ
ここまで、ものづくり(製造業)で常に意識しておきたい指標として稼働率と可動率とその改善について解説してきました。皆様の工場運営、営業所の活動において施設や設備の保全は高額な費用や熟練の知識が必要になり一朝一夕で簡単に改善することは難しく、労働者の環境においてもアフターコロナの活動や圧倒的な労働者不足の問題もあり、難しい環境に置かれていると思います。
今回解説した稼働率、及び可動率向上の取り組みについては、原資である施設、設備、労働者の分析から始めていくことも必要と思いますので、日々の改善のご参考にしていただければと思います。
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