製造業における工程管理の重要性とは?エクセル活用法も紹介!
公開日:2023年10月23日
工場ではさまざまな製品が複数の工程を経て製造されています。そのため、ものづくりの進行を管理する工程管理は、多くの製品を効率的に生産するために欠かせません。
工程を適切に管理しないと、下記のような問題が発生してしまいます。
「想定よりプロジェクトの進捗が悪く、納期直前で社員の残業時間が増えてしまった」
「部品の発注が遅れて納期までに製品が完成しない」
このように、業務を円滑に進めるのが困難になり、会社の利益が減ってしまいます。
本記事では、工程管理の概要だけでなく、効果的な管理方法やシステム導入時のメリットをご紹介します。会社の生産性を向上して利益を上げる工程管理を解説しますのでぜひ最後までご覧ください。
工程管理の重要性4選
工程管理は、会社の生産性を向上させて利益を拡大するのに重要な手段です。ここでは、工程管理の重要性を4つに分けてご紹介します。
生産効率の向上
工程管理は、生産プロセスを効率的に管理する手法です。具体的には、各工程の作業手順やリソースの割り当て、工程間のタイムラグや待ち時間の最小化などを考慮して、生産効率を向上させます。これにより、生産能力の最大化やコスト削減などのメリットが得られます。
スケジュール管理
各工程の進捗状況や時間管理を適切に行うことで、プロジェクトのスケジュールを管理し、納期を厳守できます。工程管理によってタスクの関係や遅延要因を正確に把握し、実現可能なスケジュールを策定します。
問題の早期発見と修正
各工程での進捗監視や品質管理により、問題や異常を早期に検知できます。これによりリソースのむだな消費や生産停止の回避が可能になります。
品質管理の確保
品質管理に必要なチェックポイントを各工程に設けて管理することで、問題が発生しても早期に対処できます。また品質管理の向上により、不良品の削減や顧客満足度の向上に繋がります。
工程管理の課題
ものづくりの進行を管理するのに重要となる工程管理、適切に管理しないと職場に大きな混乱を招いてしまう恐れがあります。ここでは工程管理の主な課題を2つ紹介します。
リソースの把握
生産性を向上させるには、納期や資材の調達、人員、他案件との兼ね合いなどのものづくりに必要なリソースを把握しなければなりません。工程管理者は、関係者とのコミュニケーションを密にとってスケジュールを最適化しましょう。
進捗状況の可視化と最適化
工程管理は、ものづくりの進捗を明確に把握できるようにエクセルなどのツールで可視化しましょう。 進捗が可視化されることで、工程の効率化や改善のポイントを見つけ出し、手順や人員配置の最適化を行えます。
エクセルのテンプレートを活用したり工程管理ツールを使用することで、見やすい工程管理表を作成できます。
エクセルを活用した工程管理方法
ここまで読んで「工程管理を導入してみたい!」と感じた方も多いかと思います。自社に工程管理を導入してみたい方には、無料で使えるエクセルの活用がおすすめです。
エクセルを使用した工程管理では、ガントチャートを活用するのが一般的です。ガントチャートは、プロジェクトの工程やタスクをタイムライン上に可視化できます。そのため、進捗管理やスケジュール管理に役立ちます。
工程管理表を作成するポイントを3つご紹介します。
工程を明確に区別する
管理する工程を明確に分けて工程管理表を作成しましょう。明確に分けないと、さまざまなプロジェクトがどこの管理表で管理されているのか分からなくなってしまい非効率です。
誰がみても進捗を把握できるデザイン
難しい表現や見えづらいデザインは避けて誰がみても分かりやすいデザインで作成しましょう。まずは、インターネット上の無料テンプレートを利用してカスタマイズすると効率的です。
全ての関係者と共有する
工程管理表はプロジェクトに関わる全ての関係者と共有できるようにサーバーで管理しましょう。ものづくりの現場では、資材の納期遅延や設備不良などの予期せぬ要因で各工程での修正や変更が発生します。
オンライン上で工程管理表を共有して共有すれば、関係者間での共有も確実に行えて便利です。
エクセルを活用した工程管理によるメリット3選
エクセルを活用した工程管理には、どのようなメリットがあるのでしょうか。大きなメリットを3つに絞って紹介します。
進捗の管理
ガントチャート上でタスクの進捗状況を管理できます。これにより、実績と予定を比較して進捗率を計算、タスクの進行状況を把握できます。また、エクセルを活用すると複数の工程を同時に管理できて便利です。
スケジュールの管理
エクセルにタスクの開始日と終了日を設定し、タスク間の依存関係を記載すれば、工程のスケジュールを細部まで管理できます。これにより、予定と実績の差異を常に確認してスケジュール管理に役立ちます。
リソースの管理
ガントチャートでは人員や設備、材料、工数など工程に必要なリソースを全て管理できます。各工程に担当者や必要なリソースを関連付けることで、適切な状況把握が容易になります。
エクセルを活用した工程管理によるデメリット3選
上記のように、エクセルを活用する工程管理は大きなメリットが期待できるツールです。しかし、以下のような3つのデメリットがあります。メリットとデメリットを理解して導入を検討してみましょう。
複雑な工程の管理が難しい
エクセルは複雑な工程やプロジェクトの管理には限界があります。工程間の依存関係や並行して進んでいる作業の進捗を正確に把握することが難しく、誤った情報やスケジュールのズレが発生する恐れがあります。
ファイル容量が大きいと動作が遅くなる
工程管理表を作成するには、ガントチャートなど多くの関数を使用します。複雑な工程では管理するリソースが多く、ファイル容量が膨大になってしまうケースも多いです。動作が遅くて閲覧しにくいツールは、生産性向上を妨げてしまうため注意が必要です。
ヒューマンエラーに弱い
エクセルは手作業での入力や数式の設定に頼るため、ヒューマンエラーが発生する可能性があります。担当者が記入する欄を間違えたり、セルの計算式を消してしまうミスが起きれば、工程管理に影響を与えてチーム全体に迷惑をかけてしまう恐れがあります。ファイルを操作する場合、必ずバックアップファイルを作成するなどの対策が必要です。
まとめ「工程管理表を活用して生産性向上に役立てよう」
工程管理表を活用するメリット
- 製品品質の向上
- 顧客満足度の向上
- 納期までの進捗把握
- 社内での最適な人員配置
- 在庫や仕入れを最適に管理
このように、工程管理表の活用は生産性の向上と納期厳守に大きなメリットがあります。よって、工程管理は製造業において積極的に取り組まれるべきだと考えます。
工程管理の導入をこれから検討する場合、まずはエクセルを活用してみましょう。今まで気付けていなかったリソースが発見できるかもしれません。
エクセルの工程管理に物足りなさを感じたり、上手く行かない場合は有料システムの導入をおすすめします。
この記事を書いた人
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