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製造業における業務フロー 構成要素や作成時の注意点を知ろう!

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業務フローは、記号と矢印で構成された業務の流れを表す図です。
フロー図を作成する際には業務に照らし合わせて適切な記号を選ぶ必要がありますが、記号の種類も多いため迷うことがあるかもしれません。
本記事では、業務フローを構成する要素である記号や作成時の注意すべき点について、製造業での使用例を紹介しながら解説します。

業務フローの構成要素

記号と呼ばれる図形と、記号をつなぐ矢印でフロー図は構成されています。
それぞれの記号には処理を表す名前と意味があります。
業務の流れを表すのに少なくとも必要となる記号と、覚えておくとよい記号をそれぞれ紹介します。

基本の3つの記号

以下に紹介する3つの記号は基本的なもので、製造業に限らず汎用性の高い記号です。

開始/終了

業務の開始と終了は角丸四角形の記号で表します。
フロー図の上下の端に位置する記号であることから「端子」と呼ばれることもあります。
開始には一連の業務を始めるきっかけとなるものを記述します。
受注生産を例に考えると、「受注」を開始、「出荷」を終了に設定することが可能です。

プロセス・処理

プロセスや処理は長方形の記号で表します。
業務の流れに沿って実行されるべき具体的な行動や活動を記述します。
この記号は一つひとつのプロセスや処理を表し、図形から出ている矢印も1本です。
製造業での使用例としては、「生産計画作成」「作業指図書発行」「仕入れ先への見積依頼」などがあります。

判断

判断が行われるポイントやタイミングは、ひし形の記号で表します。
判断記号は、条件によって業務フローの流れが変わることを示しています。
一般的には判断基準に対して「YES」または「NO」や「あり」または「なし」といった2択での分岐です。
例えば、生産ラインでの「工程内検査」で「合格」すれば次の工程に進みます。
「不合格(不良品を検出)」なら次の工程には進まず、元の工程に戻り不良部分を直します。
また、前のプロセスに戻る場合、同じ処理を繰り返す場合、分岐が3つ以上に分かれる場合などにも判断記号は利用できます。

覚えておくと便利な記号

これまでに紹介した3つの基本の記号を用いて矢印でつないでいけば業務フローを作成できますが、それ以外にも目的に応じて使用できる記号が用意されています。
ここでは業務フローが複雑になりやすい特徴をもった製造業で役に立つ記号を3つ紹介します。

書類・帳票

製造業では、受注から出荷までの間に契約書や指示書、品質検査記録表、納品書、伝票といった多数の文書が存在します。
プロセスや処理を実行して発生するドキュメント類は、書類・帳票記号を使用して示しておきましょう。
書類・帳票記号は人間が読み取ることができる媒体上のデータを意味し、手書きや印刷物、FAXされたもの等関係なく使用できます。
また、書類・帳票記号が3つ重なった記号は「複数書類」を表します。
プロセスによって作成される書類や帳票が複数ある場合には、複数書類記号を使います。
例えば製品を納品する段階で「納品書」「請求書」を発行する場合が該当します。

サブプロセス

大規模な業務フローの一部の処理や、業務フローの中で同様の処理が何回も出てくる場合など、特定の処理を別のフロー図の中で示していることを表す際に使用する記号です。
全部の処理を記載しようとすると、1枚にまとめるために各記号が小さく表示されたり、フロー全体が長くなったりして、わかりにくいフロー図となってしまいます。
そのようになるのを防ぐために、サブプロセス記号を使用して1枚で見やすいフロー図を作成します。
サブプロセスはすでにどのようなプロセスか定義されていたり、認知度が高い処理だったりすることから、「既定義のプロセス」、「定義済み処理」、「サブルーチン」などと呼ばれることもあります。
製造業では受注から出荷までに複数の工程があるため、例えば仕入先からの購買管理はサブプロセスにするなどの工夫をするとフロー図全体をすっきりまとめることができます。

接続

業務フローが長くなることを防ぐ別の方法として、フロー図を無理に1ページにまとめようとせず、ページをまたいで1ページに記載する記号が多くならないよう調整する方法があります。
その際に使用するのが接続記号です。
ページが変わることから、「オフページ結合子」や「ページ外結合子」とも呼ばれます。
接続記号は参照元・参照先両方のページに記載し、それぞれの記号の中や外側に対応するページ番号を記します。
ページの参照だけでなく別の業務へリンクさせることも可能です。
その場合も記号の中や外側にリンク先の業務名を記載し、どこにフロー図が続いているのかわかるようにします。

製造業における業務フロー作成時の注意点

業務フローに求められるのは、誰が見ても同じ情報を共有して共通認識を図ることのできるわかりやすいフロー図であることです。
そのためには可能な限りシンプルでわかりやすいものを作成しなければなりません。
業務フローの作成時には以下の3つのポイントを注意しておくとよいでしょう。

開始と終了がはっきりわかるように記す

業務フロー図に記載する内容を振り分けていざ作成してみたら、複数のプロセスが出てきて開始と終了がどれだかわからなくなってしまったということが起こりえます。
業務がどのように始まるか明確にするためには、以下の点に注意して整理することが大切です。

・いつ
・何をきっかけに
・誰が
・どんな作業を
・どういう場合に

始まりと終わりが明確になったら、記号を用いて記載しておきましょう。
そうすることで何の目的で業務フローが作成されるのかチーム内で共通認識をもつことができます。

分岐する条件を明確にする

判断記号で条件分岐する場合は、どのような条件でどちらの処理に進むのかを明らかにしておきます。
条件によって次のプロセスが変わってしまうため、条件に対してどのような判断がなされるのかがはっきりしていないとフロー図を見ても業務のパターンが把握できないからです。
判断記号のそれぞれの矢印にはラベルを添えて、どちらに分岐するのか一目でわかるようにしましょう。

記号を使いすぎない

シンプルでわかりやすい業務フローを作成するためには、記号を増やさないようにします。
たくさんの記号があるフロー図は複雑で長くなり、業務の流れを追うことが難しくなるからです。
チーム内で使用する記号の種類を限定するなど、記号の種類と数は増やし過ぎないようにしましょう。

まとめ

製造業における業務フローは、開始/終了、プロセス・処理、判断という基本的な3つの記号と、必要に応じた記号を選択して使用することで作成が可能です。
製造業は受注から出荷まで複数の工程があり、フロー図が複雑になる傾向が見られるため、わかりやすいフロー図を作成するよう心がける必要があります。
業務フローの始まりと終わりや分岐条件の明確化、記号を増やしすぎないといった点に注意しながらフロー図の作成を進めてみてください。

この記事を書いた人

イーポート システム開発部
イーポート システム開発部
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