HTML5 Canvasとは?活用するために必要な知識や何ができるのかを解説
公開日:2023年9月22日
HTML上でJavaScriptと組み合わせて図を描画できる機能「HTML5 Canvas」が、「Flash」の代わりになる技術として注目されています。
この記事では、「HTML5 Canvas」とは何か、どのような知識が必要なのか、「HTML5 Canvas」を使ってできることなどを詳しく解説します。
HTML5 Canvasの基本概要
まずは、「Canvas」とは何か、活用するためにはどのような知識が必要なのか、基本的な概要を解説します。
HTML5 Canvasとは
「Canvas」は、HTML5から新しく追加された図形を描くための要素です。
HTML5には動画を使用するためのVideo、音声を使用するためのAudioなどの技術仕様があり、Canvasはその中のグラフィックの描写を使うための技術仕様となります。
Canvasのタグが設置された箇所にJavaScriptを組み合わせることで、テキストエディタさえあれば、誰でも無料で描画しアニメーションなどの動きをつけることが可能です。
Canvasタグを使用して描画が可能なものは以下です。
・図形(矩形、円、角丸、多角形)
・パス(直線、円弧、曲線)
・テキスト
・画像
・シャドウ
・色(塗りつぶし、ストローク)
これまでHTML上で図を表示させるためには、GIFやJPEG形式の画像を用意する必要がありました。また、条件に応じてインタラクティブに変化させたり、アニメーション効果を追加するために、FlashやJavaアプレットが使われてきました。
外部に画像ファイルを用意しなくてもよい点、Flashを使わずに描画できる点がCanvasの大きなメリットと言えるでしょう。
Canvasについてどんな知識が必要?
では、Canvasを使いこなすためには、どのような知識が必要になるのでしょうか?
下記の3つに関して知識や技術が必要になります。
HTML5
CanvasはHTML5の仕様の一つなので、「HTML5」の知識は必要不可欠です。
描画したい内容をそのまま書くのではなく、h1タグやpタグなどのように、Canvaタグを使用しどこに描画させるかを指定してさまざまな図形を表現します。
「HTML5」とはHTMLのバージョン5、改訂第5版のことです。1993年に初期のHTML1が開発された後バージョンアップを重ね、2014年にHTML5が発表されました。
つまり、HTMLと言えばHTML5であり、最新のHTMLのバージョンです。
スマートフォン対応が可能な「マルチデバイス対応」を始め、音声や動画の埋め込みができる、フォームの入力チェックが可能など、多機能で利便性が高いのが特徴で、現在ではホームページ制作に欠かせないものとなっています。
CSS3
「CSS3」はCSSのバージョンの一つで、HTML5と同じく「CSS3」が最新バージョンで現在の主流となっています。
CSSではHTMLで作ったコンテンツのレイアウトを決定したり、文字の太さや線の色、ページ全体の装飾などが可能です。
ただし、Canvasでレイアウトを決めた部分には、CSSのレイアウトを適用させることができません。Canvasで作成した図の背景色を決めるなど、それぞれの機能を組み合わせて使うのが一般的です。
JavaScript
「JavaScript」とは、ブラウザが動くための指示を出すプログラム言語のことです。HTMLでは処理できないような動きに対処することができます。
高い汎用性を持ち、こちらも現在のWebサイトやシステムの開発において主流となっています。
Canvasでの描画は、JavaScriptとの併用で可能になるため、JavaScriptに関する知識も不可欠となります。
イメージとしては真っ白なCanvasに、JavaScriptという筆を使い描画していくという感じです。 JavaScript以外のスクリプトでも描画することができますが、現在はJavaScriptが標準的に利用されています。
HTML5 Canvasでできること
図形を描写するだけであれば、CSSやIllustrator・Photoshop、さらに簡単なWordやExcelの画像挿入ツールでも可能です。
しかし、HTML5 Canvasだからこそできることが多くあります。
図画やアニメーションの描画
CSSで描画する場合、円や四角は単純な操作で作成することが可能ですが、三角を作ろうとすると難易度が上がります。六角形や半円を作りたい場合には、さらに難しい作業が必要になってしまいます。
HTML5 Canvasを使用すれば、JavaScriptで座標を指定し、指定された座標を線でつないでその中に色を塗ることができます。CSSではこのような座標を指定しての描画はできません。
Canvasでは、JavaScriptを使用してCanvasの技術仕様に定められた書式で描画内容を指定するため、さまざまな図形の描画に加え、それらの変形、グラデーションを含む色や背景のスタイル変更、 画像やテキストとの合成などの表現が可能となります。
さらにアニメーションの作成もできます。ループを用いた初歩的なアニメーションから、多彩な表現を具体化した自由なアニメーションなど、開発者のスキルによって、さまざまな動作を実現することができます。
状況に応じた表現が可能
ユーザーがいつアクセスしても常に同じ図を表示させたいのであれば、GIFやJPEGの画像を用意する方が簡単ですが、HTML5 Canvasの特徴として、状況に応じてインタラクティブに図を表現できることも挙げられます。
サイト訪問者によって異なる図を表示させたい場合や、ボタンを押すなどのアクションに合わせた図を表示させたい場合には、サーバーで動的にスクリプトソースを生成すれば、 ユーザーのアクセスごとに異なる図形を表示させることが可能です。
例えば、ユーザーがアクセスした時点でのリアルタイムのデータを反映したグラフの描画や、アクセスごとにランダムに変化するグラデーション表現、 タイマーと組み合わせることで徐々に変形するアニメーションなど、 アイデア次第で幅広い表現が可能になるでしょう。
データを軽量化できる
Canvasでは、JavaScriptを使用して図形をスクリプトで指定し描くため、画像データを用意する場合に比べ、データ量を軽くすることができます。
データが軽量化することで、サイトの表示速度の改善にもつながり、ユーザーの満足度を高めることも可能です。
Canvasは、従来のブラウザでは難しかった描写を実現し、JavaScriptとHTMLでの可能性を大きく広げるものです。これからのWebサイト制作やコンテンツづくりに欠かせない技術になることが期待されます。
まとめ
- 「HTML5 Canvas」とは、HTML5から新しく追加された図形を描くための要素
- Canvasを使いこなすためには、HTML5、CSS3、JavaScriptの知識が必要
- 幅広い図画やアニメーションの描画、状況に応じた表現など、HTML5 Canvasだからこそできることが多くある
この記事を書いた人
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