生産管理に役立つ資格「生産管理オペレーション」とは?試験概要や難易度について解説
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生産管理の業務に従事する人の中には、資格の取得を考えている方も多いのではないでしょうか。
もちろん、生産管理の仕事は資格がなくても行えますが、資格を取得することで、専門的な知識を深めることができ、キャリアアップにもつながるなどさまざまなメリットがあります。中でも、「生産管理オペレーション」は生産管理の仕事をするなら、ぜひ取得しておきたい資格です。
この記事では、生産管理オペレーションとは何か、資格試験の内容や難易度、取得するメリットについて詳しく解説します。
生産管理オペレーションとは?
「生産管理」とは、製品の生産活動全般を管理する仕事のことです。製品の製造は主に工場で行われ、製造作業や機械操作を行う従業員、製造に必要な原材料が必要になります。
工場内の原材料の在庫量を把握し、完成した製品の在庫数や出荷状況などの管理、顧客への引き渡し、新製品の企画開発や設計など、生産管理の仕事は多岐に渡ります。
こうした生産管理業務を担うために必要なスキルを獲得するための資格があります。「生産管理オペレーション」は、生産システムの運用業務を対象とした「生産管理」の資格のひとつです。
職業開発促進法に基づいて創設され、主に原材料の管理や生産活動から顧客への引き渡しまでの部分の管理を学ぶものです。
生産管理の仕事は、資格を持っていなくても従事することができますが、資格を取得していればキャリアアップが可能なほか、昇給や給与アップにもつながるため、取得が推奨されます。
生産管理オペレーション資格試験について
生産管理オペレーションの資格試験は、中央職業能力開発(JAVADA)が「ビジネス・キャリア検定」の「生産管理」分野の資格として実施しており、「3級 生産管理オペレーション」「2級 生産管理オペレーション」「1級 生産管理」があります。
個人で申込みをする一般申請と企業でまとめて申込みをする一括申請があり、受験料は
3級が6,200円、2級が7,700円、1級が11,000円となっています。
実施時期は毎年10月と2月(ただし1級は前期の10月のみ)で、試験会場は各都道府県に1箇所ずつ設けられます。
生産管理オペレーションの試験内容
生産管理オペレーションのそれぞれの資格の試験内容は下記の通りです。
3級 生産管理オペレーション
試験の形式・・・4肢択一・40問
試験時間・・・110分
試験内容・・・作業管理基礎、工程管理基礎 、設備管理基礎 、資材・在庫管理の基礎、運搬・物流管理の基礎 、品質管理 、原価管理 、納期管理 、安全衛生管理 、環境管理の基礎知識
生産管理オペレーションに関わる職務全般の基礎知識が求められます。実務経験3年程度で係長や主任などリーダークラスを目指す人を想定した試験内容のため、役職に就くことを目標としている人におすすめの資格です。
2級 生産管理オペレーション
試験の形式・・・5肢択一・40問
試験時間・・・110分
試験内容・・・作業管理、職場の改善、工程管理、設備管理、資材・在庫管理、運搬・物流管理、品質管理、原価管理、納期管理、安全衛生管理、環境管理の専門知識
2級の試験内容は、「作業、工程、設備管理」と「購買、物流、在庫管理」の2種類に分かれており、3級に比べるとより専門知識が必要となります。実務経験が5年程度で課長やマネージャーなどの中堅クラスを目指す人を想定しています。
3級と2級のどちらからでも受講できるため、しっかり基礎から学びたい人は3級から、実務経験がありすでにリーダークラスの人は2級からの受講も検討してみるとよいでしょう。
1級 生産管理
試験の形式・・・論述式
試験時間・・・110分
試験内容・・・テーマ問題、時事問題
生産管理オペレーション1級は、生産管理オペレーションと生産管理プランニング両方の知識が必要であり、試験は区分分けされずに「生産管理」の資格として実施されます。
出題範囲が2級生産管理オペレーション・2級生産管理プランニングの全体からと広く、論述式での解答が必要となり非常に難しい内容となります。
取得すればキャリアアップが狙えるほか、企業からも優秀な人材として優遇されるため部長クラスの役職を目指す人の挑戦が推奨される資格です。
中央職業能力開発協会(JAVADA)「3級 生産管理オペレーション」
https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/business/hani_042B01.pdf
中央職業能力開発協会(JAVADA)「2級 生産管理オペレーション」
https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/business/hani_042A01.pdf
中央職業能力開発協会(JAVADA)「1級 生産管理」
https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/business/hani_040S01.pdf
生産管理オペレーション試験の難易度
中央職業能力開発協会(JAVADA)の試験実施結果によると、3級の合格率は約50~60%。受験者の半分近くが合格しており、難易度はそれほど高くないといえるでしょう。
これに対し、2級は約30~40%程度の合格率となっています。3人に1人程度しか合格しない年度もあり、やや難易度の高い資格といえます。計画的に勉強するなど対策をしっかりした上で臨みましょう。
1級生産管理は、2級・3級に比べると合格率が低く、令和2年度前期では25%でした。合格者が10%台となることもあり、かなり難易度が高く、受験者も少なめです。
中央職業能力開発協会(JAVADA)「令和2年度前期ビジネス・キャリア検定試験実施結果」
https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/business/result_r2e_2.pdf
生産管理オペレーションの資格を取得するメリット
では、実際に生産管理オペレーションの資格を取得することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
得られる2つのメリットを紹介します。
スキルアップにつながる
資格試験の出題内容は、体系的にまとめられており、生産管理に役立つ知識を幅広く効率的に学ぶことができ、合格というゴールもわかりやすいのがポイントです。
資格取得を目指して勉強することは自身の成長につながり、マネジメントや対応力、予測や情報分析の能力が身につくことで、企業に不可欠な人材として成長することができるでしょう。
就職・転職活動で役立つ
生産管理オペレーションの資格は、製造業などで取得を推奨することもあるほど、企業にとって有効な資格です。そのため、生産管理オペレーションの資格を取得していれば転職活動で非常に有利になります。
また、専門知識があることも証明でき、品質管理や工程管理、マネジメント能力を兼ね備えた人材を求めている企業で採用される確率が高くなるでしょう。製造業に限らず役立つ能力のため、製造業以外の企業へも転職しやすくなる可能性があります。
生産管理オペレーション資格を取って現場で役立てよう
多くの企業では、生産管理についての専門知識を持った人材を常に求めています。製造業の現場でより活躍したい、キャリアアップしてより必要とされる存在になりたい、という方は生産管理オペレーション資格の取得をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
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