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ウェブアクセシビリティの重要性 誰にでも使いやすいウェブサイトを作成するポイント

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ウェブアクセシビリティ。あまり聞きなれない言葉かもしれません。これは「高齢者や障害者などの心身の機能に制約のある人でも、年齢的・身体的条件に関わらず、ウェブで提供されている情報にアクセスし、利用できることを表します。近年はウェブにアクセスすることで重要な情報を得ることが可能となります。しかし実際にはウェブページにはバリアがあり、高齢者や障害者にとっては使いにくい、もしくは使えない情報となります。そうなることで生活に重要な情報を知ることさえできないことも少なくありません。
ここではウェブアクセシビリティの概念を理解して誰もがウェブ上にある情報にアクセスできるような環境にするにはどうしたら良いかを説明します。

ウェブアクセシビリティとは

ウェブアクセシビリティは、ウェブコンテンツやウェブサイトが、異なる能力や状況にある人々に対して使いやすく理解しやすいように設計され、利用可能であることを指します。具体的には、視覚障害者や聴覚障害者、身体障害者、認知障害のある人、また一時的な障害や状況によって制限を受ける人々など、幅広いユーザーグループを考慮に入れることが重要です。

ウェブアクセシビリティの重要性

ウェブアクセシビリティがなぜ重要かには複数の理由があります。まず、だれもがウェブにアクセスしやすい環境にするという観点から見れば、あらゆる人がウェブ上の情報やサービスにアクセスできるようにすることが求められています。これには、障害のある人々、高齢者、異なる文化や言語を使用する人々など、多様なユーザーグループに対して、容易にアクセスできるようにして、社会的な公正を促進する効果があります。

法的な要件も考慮すべき理由の一つです。多くの国や地域で、ウェブアクセシビリティの確保に関する法的な規制が存在し、これを遵守することは法的なリスクを回避し、企業や団体の信頼性を向上させます。同時に、法的要件の遵守はビジネス上のメリットにもつながり、広い範囲でユーザー層を取り込むことで市場競争力が向上します。

ビジネスの視点からも、ウェブアクセシビリティは重要です。障害のあるユーザーがウェブサイトやアプリケーションを利用できるようになれば、その企業や団体の顧客層が拡大し、新たな市場シェアを獲得する可能性があります。また、検索エンジン最適化(SEO)においても、アクセシビリティが高いウェブサイトは検索結果でのランキング向上に寄与します。
技術の進化も考慮すべきポイントであり、新しいデバイスやプラットフォームが登場する中で、ウェブアクセシビリティを考慮することで異なる環境やデバイスでの利用に対応しやすくなります。これらの理由から、ウェブアクセシビリティは単なるユーザビリティの向上だけでなく、法的要件やビジネス上の利益、技術の進化といった複合的な要因からも重要視され、ますます注目を集めています。

ウェブアクセシビリティを意識したWeb制作のポイント

ウェブアクセシビリティを実現するためには以下のような原則やガイドラインが存在します。それらはW3C(World Wide Web Consortium)が策定したウェブコンテンツアクセシビリティガイドライン(WCAG)に基づいています。WCAGは、ウェブ開発者やコンテンツ制作者がウェブサイトやアプリケーションをアクセシブルにするための具体的な基準を提供しています。

知覚的理解の原則

コンテンツは複数の方法で理解できるように提供されるべきです。例えば、テキストや音声、画像などを組み合わせて情報を伝えることが重要です。

操作の原則

コンテンツは様々な方法で操作可能であるべきです。キーボードだけでなく、マウスやタッチスクリーン、音声認識などの方法でも利用できるようにすることが重要です。

理解の原則

コンテンツは分かりやすく明確であるべきです。言葉や表現の選び方、構造化された情報の提供などが含まれます。

信頼性の原則

コンテンツは予測可能で信頼できるように提供されるべきです。ユーザーが期待通りに操作でき、予期せぬ結果が起きないようにすることが重要です。

ウェブアクセシビリティへの配慮が義務化される

2021年の“障害者差別法改正”により、これまで民間企業にとって努力義務だった「合理的配慮の提供」が努力義務から義務化されます。実際にはウェブアクセシビリティを義務化という記述はありません。ただ、法改正に関わらず積極的に取り組むべき課題であることには変わりない課題です。

それでは「合理的配慮」とはどんなものでしょう。内閣府の説明によると
“「合理的配慮」とは、障害のある人から、社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられた時に負担が重すぎない範囲で対応すること”とあります。
これを見ても何かしらの基準を設けてそれを満たす対応を求められるのではなく、障害による差別を解消するため、申し出があった際には配慮することを求める。ということのようです。

さらには「合理的配慮」を的確に行うためには、不特定多数の障碍者を主な対象として行われる「事前的改善措置」を、環境の整備として行政機関等及び事業者の努力義務としている。とあります。つまりは「合理的配慮」と「環境の整備」がポイントとなります。
政府の基本方針の中には以下の例も記載されています。
“オンラインで申し込み手続きが必要な場合に、手続きするためのウェブが障碍者にとって使用しづらいものになっているので、手続きに関しての支援を求める申し出があった場合には、求めに応じて電話や電子メールで対応する(合理的配慮の提供)とともに、以後、障害者が不便を感じることが無いように、ウェブサイトを改良する(環境の整備)と記載されています。

まとめ

ウェブアクセシビリティは、異なる能力や状況にある人々に対してウェブコンテンツやサイトが理解しやすく、使いやすいように設計され、利用可能であることを指します。視覚・聴覚障害者、身体障害者、認知障害者など広範なユーザーグループを考慮する必要があります。その重要性は、社会的公正の促進や法的要件の遵守、ビジネスメリット、SEO向上、技術進化への対応が挙げられます。

ウェブアクセシビリティの実現にはWCAGに基づく原則があり、知覚的理解、操作、理解、信頼性の向上が求められます。これにより多様な方法で情報を提供し、操作可能にし、理解しやすく、信頼性を確保することが重視されます。

2021年の「障害者差別法改正」により、企業にとって「合理的配慮の提供」が義務化され、ウェブアクセシビリティへの配慮が強化されました。具体的な配慮は法改正によるものではなく、「合理的配慮」の範疇内で障害に対する適切な対応が求められます。政府は「事前的改善措置」を通じて環境整備を促し、オンライン手続きなどでの支援と共に、改良が必要な場合はウェブサイトの改善も求めています。

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