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製造業における生産計画はなぜ重要なのか?押さえるべきポイントも解説!

公開日:2023年10月23日

製造業において、適切な生産計画を立てることは重要な要素です。最適な生産計画を立てられると、在庫の過不足が発生することが少なかったり、納期に間に合わないという事態を避けられたりします。そのため、最適な生産計画の立て方を知りたい方は多いでしょう。
そこで今回は、生産計画の種類や立て方、押さえておくべきポイントを解説します。

生産計画はなぜ重要?

生産計画とは、製品の生産数や生産時期に関する計画のことです。製品の生産は、ただやみくもに生産すると余剰在庫を抱えたり、原材料不足で生産停止に陥ったりすることがあります。そのため、企業は赤字経営になることが考えられます。
企業の利益目標を達成するためには、「どの製品を、いつからいつまでの期間に、どのくらい生産するのか」という生産計画を立てることは非常に重要です。
生産計画には、今まで行ってきた生産状況や今後の販売予測を分析し、これから生産する製品の原材料や部品の必要量が含まれます。そのほかにも、製品の製造から出荷するまでの日程の計画があります。
また、生産計画をもとに、必要な資金や人員を割り出すことが一般的です。

生産計画の種類

生産計画には、「押し出し方式」と「引っ張り方式」があります。ここでは、それぞれどのような計画方法なのか解説します。

押し出し方式

押し出し方式とは、まず生産計画を立てて、その生産計画にもとづいて前工程で生産し、後工程に引き渡す方法です。「PUSH型」とも呼ばれ、世界で最も普及している生産計画方法になります。
押し出し方式は、生産計画通りに生産を進めやすいというメリットがある反面、予想外の変更やトラブルへの対応が難しいというデメリットも併せもっている方法です。
そのため、余剰在庫を抱えやすく、うまく生産状況をコントロールできなければムダなコストが発生するリスクがあります。

引っ張り方式

引っ張り方式とは、押し出し方式とは逆に、製品の在庫数や納期に合わせて、後工程から前工程へ生産指示する方法です。「PULL型」とも呼ばれています。
引っ張り方式は、顧客からの受注数や納期に合わせて生産計画を立てる方法のため、余剰在庫が発生することが少ないというメリットがあります。
しかし、引っ張り方式で生産計画を立てるためには、生産する種類や量の平準化や、在庫の定量数決定と管理ができることなどの条件を満たすことが必要です。

生産計画の立て方とは

生産計画の立て方には、おおまかに「大日程計画」「中日程計画」「小日程計画」の3つがあります。ここでは、それぞれの生産計画の立て方を解説します。

大日程計画

大日程計画は、過去の実績をもとにして、受注量や納品量を予測して立てる計画のことです。一般的には、半年~1年間の計画になります。

大日程計画では、主に以下のような計画を立てていきます。
・予測した生産量を達成するための現状の生産能力、および新規設備導入計画
・売上高をアップさせるための現行製品の改良や新製品の開発計画
・予測した生産量を達成するために必要となる長期人員計画

上記のように大日程計画では、生産計画のおおまかな方向性を計画します。

中日程計画

中日程計画は、顧客からの受注内容に合わせて生産量や設備稼働ペースを予測する計画のことです。一般的には、1~3カ月の期間での計画で、毎週または毎月の頻度で生産計画の見直しが行われます。
中日程計画では、主に現場の生産能力や中期的な人員配置が計画されます。そのほかにも、1カ月ごとの生産計画、原材料や部品の必要量や仕入れ先の決定などの計画も必要です。

小日程計画

小日程計画は、具体的な作業内容や製品完成日などを計画します。小日程計画は、大日程計画や中日程計画とは異なり、小日程計画をもとに実際に作業する計画です。一般的には、1週間~1カ月間の短期計画です。
小日程計画は、現状の設備や人員の生産能力、現実的な生産量など細かな部分まで計画しなければなりません。そのほかに、納期にもとづいた進捗状況の確認、稼働可能な生産ライン、使用できる治工具の確認なども必要です。

生産計画の立て方において押さえておくべき3つのポイント

生産計画の立て方には、押さえておくべき3つのポイントがあります。ここでは、3つのポイントについて解説します。

需要予測の正確性を確保する

需要予測とは、企業の製品やサービスがどのくらい売れるかを予測することです。需要予測は、製品を生産する上で非常に大事な要素です。
市場の需要を把握せず、需要が低い製品を大量に生産すると製品は売れ残ります。逆に、需要が高いにもかかわらず、あまり製品を生産しないと製品不足になります。それにより、本来得られるはずだった利益を失うことになるでしょう。
そのため、高い精度での需要予測ができると、ムダなコストをカットし、販売機会を消失させず利益が得られます。

生産設備の生産能力を考慮する

生産設備の生産能力は、生産計画を立てる上で必ず考慮しなければならないポイントです。
たとえば、現状の生産設備の生産能力が、稼働率100%で予測した生産量を達成できるとしましょう。しかし、生産設備の不具合や急な人員の欠員が出ると、稼働率が100%に達せず、予測した生産量を確保できません。

そのため、想定外の事態に備えてバッファを設定する必要があります。バッファとはビジネス用語で余裕という意味の言葉です。適切にバッファを設定することで、不意なトラブルを避けられます。

リードタイムを考慮する

製造業においてのリードタイムとは、工程や作業の最初から工程や作業が完了するまでにかかる所要時間のことです。
リードタイムを短縮できれば、顧客満足度や利益の向上につながります。そのため、一定量の在庫を確保しておくことですぐに出荷でき、リードタイムの短縮が可能です。
しかし、需要予測が外れると大量に在庫を抱えることになり、赤字経営になることも考えられます。リードタイムを短縮するには、在庫と生産のバランスをとることが重要です。

まとめ

生産計画は、企業の利益目標を達成するために非常に重要です。生産計画の種類には「押し出し方式」と「引っ張り方式」があり、それぞれメリット・デメリットがあります。
生産計画の立て方は、大日程計画と中日程計画でおおまかな生産計画を立てます。次に、小日程計画で、具体的な作業内容や製品完成日などを計画します。
生産計画を立てる際に押さえておくべき3つのポイントは、需要予測の正確性を確保すること、生産設備の生産能力を考慮すること、リードタイムを考慮することです。

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イーポート システム開発部
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