自社のECサイトにはどのサービスが最適?Shopify/EC-CUBE比較
公開日:2022年8月4日
ネットショップを始めたいのだけど、数あるネットショップサービスの中からどれを選べばいいか分からない!ウチに合うサービスはどれなの?
という方のために、Shopify(ショッピファイ)とEC-CUBE(イーシーキューブ)の違いと特徴、選ぶ時のポイントをまとめました。
そして、ネットショップを持たずにInstagram(インスタグラム)で商品販売している際の注意点をご紹介します。
コロナ禍になってから、ネットショップに力を入れる企業様が増えました。それと同時に、ネットショップのプラットフォームも急増しています。
その中から、ネットショップ立ち上げを検討中の方なら一度は聞いたことがあるはずのShopify(ショッピファイ)とEC-CUBE(イーシーキューブ)を比較し、どんなお店にどれが最適なのかを考えてみました。
Shopifyとは?カナダ産、越境ECが得意なサービス
Shopify(ショッピファイ)は、カナダで開発されたネットショップサービスで、世界で170万件以上の企業や店舗が採用しているものです。日本には2020年に上陸しました。海外ではティファニーやテスラモーターズ、レッドブルなどの大企業が採用しています。
企業名を読んでピンときた方もいらっしゃるかも知れせん。どの企業も世界各地で事業を展開しています。
Shopify(ショッピファイ)は越境ECに強いのです。
2020年にShopifyの日本法人が設立されて以来、活発な宣伝活動がされた結果、日本でも導入する企業が増え始め、海外進出している企業を中心に広がっています。
EC-CUBEとは?日本シェアトップの国産サービス
EC-CUBE(イーシーキューブ)は、国内シェアトップのプラットフォームです。
シェアトップというだけあって、使い勝手は非常に良く、「あったら便利だな」というツールはだいたい標準装備として揃っています。
日本国内向けのネットショップサービスのお手本とされることがよくあります。
商品登録や、受注から入金確認、発送までの操作が直観的に分かるため、使い勝手がいいため、ネットショップが初めてという人でも迷うことなく作業ができますし、毎日大量に受注があってもスムーズに業務が進められるよう導線が作られているので、大規模店舗にも人気です。
それぞれの特徴
Shopify(ショッピファイ)の特徴
- 月額費用を支払うサブスクリプション型のサービス(月額費用29ドル(約3900円)から)
- デザインテンプレートが1000種類以上あるので、HTMLやCSSに詳しくなくてもおしゃれなサイトができる
- 機能拡張できるアプリが4,000以上あり、それをインストールすることで便利な機能を自分でどんどん追加できる
EC-CUBE(イーシーキューブ)の特徴
- シンプルな基本デザインでよければ、この高機能なシステムは無料です。ダウンロードしてサーバーにインストールするだけで使える
- 費用として掛かるものは、サーバー契約費だけ(サーバー費用目安/月額1000円から)
- カスタマイズがしやすく、機能拡張するアプリも豊富にあり
- 国内で利用者が多いので、困ったことがあったり、こんなカスタマイズを自分でしたいなと思ったりしたら、インターネットで調べるとたくさんの情報が出てくる
特徴一覧
Shopify(ショッピファイ) | EC-CUBE(イーシーキューブ) | |
---|---|---|
月額費用 | $29~$299(プランによって変わる) | ¥0 |
サービス利用手数料 | Shopifyペイメントを使う場合→¥0 Shopifyペイメントを使わない場合→0.5~2% | ¥0 |
決済手数料 | Shopifyペイメントを使う場合 国内カード:3.25~3.4% 海外カード:3.8~3.9% | ¥0 |
決済 | クレカ/コンビニ決済/振込 電子マネー 代引き/後払い/スマホ払 AmazonPay/GooglePay/ApplePay | クレカ/コンビニ決済/振込 ビットコイン/他通貨決済 代引き/後払い/スマホ払 AmazonPay/楽天Pay |
デザイン | テンプレート(1000パターン) | テンプレート/独自デザイン |
SNS連携 | Instagram/Twitter/facebook/Youtube/ メッセンジャー/note/Tumblr | Twitter/facebook/LINE |
どっちのサービスが、どんなお店に最適?
Shopify(ショッピファイ)
Shopifyは、テンプレートデザインが1,000種類以上あるので、ウェブサイト構築の知識がなくてもおしゃれできれいなサイトを作ることができるので、制作会社に依頼せず自社で作りたいという企業におすすめです。
しかし、海外製のため管理画面が英語になっているところがあるので、それに慣れる必要があります。
こんなショップに向いています
- 越境ECを展開したい
- ショップに多言語切替機能が欲しい
- SNSと連携してショップの宣伝をしたい
- 受注・商品管理画面が英語でもOKなスタッフがいる
- デザインはテンプレートの中から選びたい。オリジナルのデザインはいらない
EC-CUBE(イーシーキューブ)
EC-CUBEは、デザインもオリジナルで、かつ、自社の事情や販売商品に合わせて購入画面や商品管理画面をカスタマイズしたいという場合にぴったりです。そのため、制作会社に依頼して作成するケースがほとんどです。
この場合、制作費用がかかりますが、毎月の月額費用は発生しません。長くネットショップを運営することが決まっているなら、月額費用が毎月かかるより、最初に制作費を払った方がコスパがいいかもしれません。
こんなショップに向いています
- 管理画面、受注画面が分かりやすく使い勝手がいいものを求めている
- 販売商品が多く、シーズンごとに入れ替えをすることもある
- ネットショップを始めて導入するので、分かりやすいものがいい
- デザインは完全オリジナルのものがいい
- 商品購入画面や商品管理画面を自社の事情に合わせてカスタマイズしたい
オリジナルデザインを実現する場合は
Shopifyでも、完全オリジナルデザインで作ることは技術上は可能です。
しかし、Shopifyはオリジナルの開発言語を使って構築されていて、独自の構造を持っています。マニュアルが英語であることもあり、日本ではまだオリジナルデザインを組み込む方法があまり普及していません。
テンプレートが1,000パターン以上あるので、オリジナルのデザインよりもそちらを使うことが推奨されているように感じます。
その一方、EC-CUBEはPHPという一般的な開発言語で作られている上に、オープンソースといって構造が一般公開されているので、オリジナルデザインでの作成がしやすくなっています。
このように手を加えやすいことも、国内でのシェアがトップになっている理由かもしれません。
こんな状況なら、このネットショップサービスを選べ!
イーポートでは、お客様からネットショップを作成したいというご相談を受けたとき、お客様のご要望、商品の特徴、業界事情、そしてネットショップ担当となるスタッフの方の事情などを詳しくヒアリングした上で、どのサービスが最適化をご提案しています。
この数年でネットショップサービスが多数誕生しているので、どれを選べばいいのかをお客様自身で決めるのは、以前よりも難しくなっているのではないかと思います。
コロナ禍で顧客が減ってしまった飲食店や対面販売ができなくなったお店で、ネットショップを始めるというケースが増えましたが、その場合はEC-CUBE やShopifyのような規模ではなく、もっと手軽に始められるサービスを利用していただきたいです。
こんな状況なら、EC-CUBEがおすすめ
- 制作会社に依頼して、オリジナルのものを作りたい
- ユーザーは国内のみ
- 売り上げが月50万円以上ある
こんな状況なら、Shopifyがおすすめ
- おしゃれなテンプレートを使って自社で作成したい
- 海外のユーザーにも販売したい
- 売り上げが1億円以上超えるかもしれない(その場合のプランがあります)
こんな状況なら、STORES.jpがおすすめ
- ネットショップが初めてなので、小規模からスタートして様子を見たい
- 売り上げは月10万円以内
- 少人数の自社スタッフで作成したい
- 代引きを使いたい
STORES.jpについてはこちらhttps://stores.jp/
「Instagramに商品写真を載せて売っています。ネットショップがなくてもこれで十分じゃん」と思っている方、要注意!
Instagramに商品を載せて、販売をするというケースも最近は増えています。Instagramのショッピング機能ではなく、記事として商品は写真を載せ、購入希望者はDM(ダイレクトメール)で直接連絡して、個別にやり取りをするというものです。
ハンドメイド作家や、小規模経営のスイーツ店、アパレルショップなどでよく見られます。
Instagramのショッピング機能を使わない理由は、手数料として5%が取られるからです。
「これで売れているんだから、ネットショップなんかいらないでしょ?SNSの時代なんだから」
とおっしゃる方とお会いしたことがあります。しかし、ちょっと待ってください。
インターネットで販売するには、「特商法」の掲載が必要
ネットショップとして販売するには、「特定商取引法」に基づいた表記を必ず掲載しなくてはなりません。
特定商取引法とは、消費者トラブルが生じやすい特定の取引を対象に、トラブルを防止し消費者の利益を守るためのルールを定めている法律で、具体的には、訪問販売や勧誘行為、通信販売など消費者トラブルが生じやすい取引類を対象に、事業者が守るべきルールやクーリング・オフなど消費者を守るルールを定めるものです。
Instagramの投稿記事での販売には、そういった記載がないので、ルール違反ということになります。
SNSの突然の仕様変更で商品販売が難しくなることも
InstagramなどのSNSの記事上での商品販売がネットショップより不利になる理由がまだあります。
それは、突然の仕様変更です。
2022年5月から6月にかけ、Instagramは期間限定仕様変更テストを行いました。投稿写真に自動的に黒いフィルターがかかるようにし、その上に白字で投稿記事の文字が表示されるようにしたのです。
写真が全体的に薄暗くなり、文字がその上に乗っているので写真の見え方が以前と大きく変わってしまいました。
商品写真を載せていた場合、商品の本来の色味がわからなくないのと、写真の上に記事の文字が載るため、それがじゃましてユーザーが見たいところが見えづらい状況になりました。
食品の写真は全部色が黒っぽくなって美味しそうには見えなくなっていました。生クリームがくすんだ色になり、イチゴがベリーのように見えたり、アパレル関連の商品は、実際はオレンジ色の洋服が、エンジ色のようにも見えたりしていて、「実際の色が分からない」と、ユーザーが購入をためらったケースがありました。
写真は、こちらからお借りしました https://hatafull.co.jp/blog/11102
Instagramの運営側としては、商品を販売するならショッピング機能を使って欲しいのです。
投稿記事で商品販売をされるのは本来の使い方ではないので、色味が違うとか、写真の上に文字を載せないでと言われても、そんなこと知ったこっちゃないわけです。
今回は短期間のテストだったようですが、多少修正を加えてこれを実装するのではないかと思います。
SNSは無料で利用できる分、こういった「突然の仕様変更」があるので、ネットショップとして利用するのは危険なのです。
Instagramを利用するなら、商品の紹介のみにとどめて、購入はネットショップへ誘導するのがおすすめです。
この記事を書いた人
- ウェブサイト制作も営業もディレクションもライティングもマーケティングも、何でも絡んでみたくなるオタク気質な姐さん社員