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業務用アプリ開発で効率的な発注管理システムを開発する方法

公開日:2023年10月27日

企業の事業活動において欠かせない業務の1つに「発注管理」があります。適切な発注処理がなされなければ、販売機会の損失や在庫保管コストの増大などにつながることもあります。
発注管理は業務が多岐に渡り作業のプロセスも多いため、効率化を実現できれば多くのメリットがあり、課題解決にもつながります。

この記事では、発注管理システム導入のメリットや効果的な活用のポイントなど、業務用アプリ開発で効率的な発注管理システムを実する方法について解説します。

業務用アプリ開発と発注管理の重要性との関連性

企業活動をより発展させるために、業務の効率化や自動化は必要不可欠です。こうした対策に役立つ、業務の効率的な処理のために開発されたプログラムが「業務アプリケーション(業務アプリ)」です。
システム開発会社が一般向けに開発するものもあれば、各企業のニーズに合わせたアプリを開発する場合もあり、生産管理システムや販売管理システム、受発注管理システム、在庫管理システムなど、業務ごとに多くの業務アプリが開発されています。

さまざまな業務の中でも、発注管理は企業にとって重要な役割を果たします。発注管理は、単に在庫補充や仕事依頼をするだけでなく、在庫状況の把握や発注先の選定、発注のフローなどの細かい管理が必要になります。
発注だけではなく、発注先の選定や仕入れスケジュールの管理などその仕事は多岐に渡るため、ミスが発生した場合にはその被害は社内だけでなく顧客や仕入れ先・外注先にも及んでしまいます。
システム上ですべてのプロセスが完結する発注管理システムを活用することで、ミスを減らすことが可能になり、発注業務の効率化が実現できます。
基本的に発注のみを専門で処理するシステムは少なく、購買管理システムや受発注管理システム、在庫管理システムの機能のひとつとして発注管理機能を持っているアプリが一般的です。

もし、最適な業務アプリが存在しないという場合は、作業内容に合わせて業務アプリを開発することも可能です。
自社のニーズに合わせた独自の業務アプリを開発することができれば、より大幅な業務効率化とコスト削減につながります。

発注管理とは

では、改めて「発注管理」とは何かを理解しておきましょう。「発注管理」とは、発注する商品や材料を管理する業務のことです。
自社のサービスを提供するために必要なものを仕入れるのが発注作業ですが、「発注管理」は、仕入れのコストや在庫数を管理して、利益確保や欠品防止につなげる重要な業務です。
自社で販売する商品よりも多くの品目を管理し、価格や数量などを細かく管理・調整しなければなりません。
また、発注先に依頼内容や発注先とのスケジュール調整も必要です。コストを抑えつつ、過剰に在庫を抱えたり在庫が欠品したりしないよう、適切な仕入れの量やスケジュールを調整していくことが求められます。

発注管理の主な業務とプロセス

発注管理を効率的に行うためには、全体の流れを把握したうえで1つ1つのプロセスに問題がないかを見極めていく必要があります。
発注管理業務のプロセスは大きく下記の4つに分けられます。

購買依頼書の作成

まず、購買する物の品目や量を記載した購買依頼書の作成です。発注先に依頼をするため、担当者は商品名・個数・納期などの情報をまとめ発注内容を明確にします。
この時、在庫数や今後の売上予測などから必要在庫数を導き出し、在庫数が適正に保たれるよう仕入れをしなければなりません。
発注してから仕入れた物が届くまでの期間や、仕入れた物を加工して商品にするまでの期間も考慮する必要があり、仕入れる品目が多いほど業務も複雑になります。

発注方式の決定

次に、発注方式を決定します。発注にはあらかじめ決まったタイミングで発注をする「定期発注方式」と、決められた在庫数を下回ったタイミングで、一定量の発注をする「定量発注方式」があります。
「定期発注方式」は、商品の欠品を防ぎやすく、場当たり的な発注業務を無くして業務を効率化できるメリットがあります。しかし、判断を誤ると在庫の余剰や欠品が生まれるリスクもあります。
「定量発注方式」も同様に欠品を防ぐことができますが、需要の予測に関係なく機械的に発注するため、繁忙期の欠品や閑散期に在庫余剰を抱えやすいデメリットがあります。

仕入先の選定

発注方式の決定後のプロセスは、品目ごとの仕入れ先の選定です。
基本的にはより安い価格でより迅速に納品できる取引先を優先すべきですが、大量発注が得意な会社や、多品種少量の発注に応えてくれる会社などもあります。
それぞれの取引先の特徴をふまえ、過去の購買履歴も参考にしながら効率的に選定しましょう。

注文書の作成・送付

発注先の選定が完了したら、注文書を作成し発注先に送付します。注文書には、発注する商品・数量・価格・納期などの情報を記載しましょう。

発注管理システムの主な機能

発注管理業務のプロセスは一見シンプルに見えますが、品目が多くなるとそれに伴い仕入れ先も増加し、仕入れ先の選定にかかる時間も増えてしまいます。
また、膨大な仕入れ品目の全てに対して最適な仕入れをすることは、アナログ作業では限界があります。
発注管理システムには、仕入れのデータ整理や過去の発注履歴の管理、仕入れのスケジューリングなどの業務を自動化し支援する機能が充実しており、これらの機能を活用すれば作業時間を減らし効率的に発注管理できます。
発注管理システムの主な機能には下記のようなものがあります。

購買計画機能

製品の生産や販売の計画を元に、いつまでに何を仕入れるべきかを決定しておく「購買計画」を管理できる機能です。発注もれを防ぎ、生産計画をスケジュール通り進められます。

仕入先管理機能

過去の発注履歴を蓄積することで、適切な仕入れ先を判断するのに役立つ機能です。特定の品目をどこからいくらで購入したかを参考にすれば、仕入れ先の選定作業の効率が大幅にアップします。

取引契約機能

契約内容を電子化し、過去の取引情報を参照できる機能です。契約書を紙で保管していた場合、過去の取引内容の確認作業に時間がかかりますが、システム上で管理することで効率化でき、郵送やFAXに比べコストの削減にもつながります。

発注管理機能

これまでの発注内容や現在の発注内容をシステム上で閲覧できる機能です。二重発注や、生産部門への報告に時間がかかるといった手間をなくすことが可能です。

価格管理機能

品目ごとにこれまでの購入価格をシステム上で管理することで、仕入れ先の選定業務に活用できる機能です。品目だけでなく数量や納期なども考慮し、条件ごとに最適な仕入れ先を探す際にも役立ちます。

納期管理機能

発注した物が届く日時を管理できる機能です。納期を可視化することで、生産計画や販売計画の策定に役立ちます。仮に納期が遅れることになった場合にも、代替の生産計画が立てやすくなります。

品質管理機能

自社が求める品質基準を満たす仕入れ物の数を管理する機能です。仕入れた物の品質が悪く、製造に利用できなかったり、販売できなかったりした場合、それがどの仕入れ先でいくつ発生したのかをまとめられます。

検収支払管理機能

品質を確認し検収作業を終えると仕入れ先への支払いをしますが、品目ごとに異なる支払い先や支払い期限などの情報を一元的に管理する機能です。未払いや過剰支払いの防止に役立ちます。

効率的な発注管理システムの実現方法

社内の発注案件のデータベースとして一元化でき、効率化が実現できる発注管理システムですが、単に導入するだけでは効果的な活用につながりません。
導入のメリットや発注業務を効率化する方法を理解しておくことが重要です。

発注管理システム導入のメリット

発注管理システムを導入することで、受注者・発注者の双方にとってさまざまなメリットがあります。
発注管理システムを導入する際には、どのようなメリットがあるのか把握しておき、自社ではどのような利点につながるか検討した上で採用するかどうかを決定しましょう。

受発注システムの具体的なメリットは主に下記の3つです。

発注業務の負担軽減

作業工程が多かった従来の発注業務に比べ、発注管理システムでは在庫状況や発注内容をリアルタイムで把握でき、営業や在庫管理部門など他部署への確認工程を省略できます。
受発注のたびにやり取りと確認をしていた作業が少なくなれば、発注者の負担を大幅に軽減可能です。
受注データを使って伝票や納品書の作成をすることもでき、受け取った情報を作成用に再度入力する手間も省け、入力の負担が軽減できます。CSVファイルでの出力もでき、他のシステムで活用することも可能です。

作業工数の削減は人員の削減にもつながります。確認業務を担当していた人員をその他の業務に再配置できるようにもなり、さらなる業務効率アップが期待できます。

ヒューマンエラーの削減

FAXや電話、メールでの発注では、どうしても人為的ミスが起こりやすいものです。書き間違いや計算間違い、聞き取りミスなど、二重三重にチェックをしても完全に防ぐのは難しいでしょう。
発注管理システムの導入で、ヒューマンエラーをなくせる点は大きなメリットの1つです。
発注業務を電子的に管理できるため、手動で計算をする必要がなくなり、金額の不一致は発生しません。事前に設定した発注条件外の数値を入力するとエラーが出るというような、アラート機能で発注漏れを防ぐ対策も可能になります。
ヒューマンエラーを未然に防ぎ、適切な発注業務ができるようになれば、適正在庫を保つことができます。

発注業務のスピードアップ

作業工程を発注管理システムで自動化すれば、商品の受注数や種類といった情報を顧客ごとに記録し、一元管理することが可能です。発注伝票を書く、発注のために電話をかける、メールを送るなどの工程も不要になります。
システム上で取引情報や在庫状況の確認がリアルタイムで可能になるので、さらに発注作業のスピードアップを実現できます。
ムダな行程を省くことができれば、急ぎの発注の際に納品が間に合わないという事態も避けられるでしょう。

発注業務を効率化するには

では、発注業務を効率化するための具体的な方法には、どのようなものがあるのでしょうか?
効果的な対策として、以下の2つの方法があります。

業務フローの見直し

まずは、現在の業務フローを見直すことです。発注業務をどのような業務の流れで進めているかを洗い出し、不要な工程はカットします。
さらに、手間がかかる工程を他のやり方に置き換える、ミスの起きやすい工程のチェックを厳重にするなど、業務フローの省力化と正確性を高める方法を模索することが効率化の第一歩になります。
発注業務のような基本的な業務は、古い慣習のまま時代が変わって同じ方法をなんとなく続けてしまっている、というケースが多くあります。このような状況から脱却するためにも、業務フローを洗い出すことは効果的な対策と言えます。

在庫を適正化する

適正な在庫を維持できるように計画を立てることができれば、過剰在庫や在庫不足を防ぎ、発注業務も効率化できます。
適正在庫数は、季節や特売の時期など需要の変動によって左右されるため、常に一定ではありません。
発注量やタイミングをルーティン化していると、セール時期に在庫不足になったり、シーズンオフに余剰在庫を抱えることになったりしてしまい、結果的に本来必要のなかった作業が発生してしまいます。
発注管理システムの導入により、過去の販売実績などからしっかりと需要予測を立てて発注業務を計画できれば、常に在庫は適正化されるため、工数も抑えられます。

まとめ

  • 業務を効率的に処理するために開発される業務アプリは、発注管理など企業にとって重要な役割を果たす業務の負担を減らすために役立つ
  • 発注管理システムをより効果的に活用するためには、導入のメリットや発注業務を効率化する方法を理解しておくことが重要

この記事を書いた人

イーポート システム開発部
イーポート システム開発部
システム開発、アプリ開発に関する情報をお届けします。
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