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シャッター通り商店街の再生ー「地方創生」のカギとは?

公開日:2018年2月9日

今回は、不動産・建築業と地方創生の関係について取り上げたいと思います。

 

地方の商店街へ行くと、平日の昼間でもシャッターを閉じた店舗が目立ちますよね。

 

シャッター商店街は、社会現象になり、全国的に地方都市の中心商店街の空洞化が進んでいると言われています。

 

そうした商店街の再び元気にすることは、移住者を呼び込む「地方創生」にもつながります。

 

そのために、人が住みたい、魅力ある町づくりをする上で、不動産・建築業からのアプローチは重要です。

 

地方創生に関する記事を調べていましたところ、不動産・建築業から、地方創生へ働きかけるヒントとなる記事を見つけましたので、ご紹介したいと思います

 

 

栃木県宇都宮市の事例

 

NPO法人グリーンズさんが運営するオウンドメディア「グリーンズの学校」に、2016年8月に投稿された記事「シャッター通りに、17軒の店舗が続々開業! その陰の立役者、空間プロデュースのビルススタジオ塩田大成さんは「つくっておわり」にしない建築家だった!」の中に、地方創生のヒントがあります。

 

ギョーザの町として有名な、栃木県宇都宮市は52万人の人口を抱える、北関東最大の都市です。

 

江戸時代から続く城下町で、奥州街道と日光街道の分岐点であり、交通の要衝として古くから栄えてきました。

 

現在、栃木県の県庁所在地で、東京から新幹線で最短51分と交通の便も良く、県の政治、経済、文化の中心地です。

 

そんな宇都宮市ですが、商店街の空洞化という地方都市として共通の課題を抱えています。

 

記事では、空洞化が進んでいた商店街を、建築家の塩田大成さんがどのようにしてよみがえらせたのかが取り上げられています。

 

以下、グリーンズの学校の記事からの引用した、商店街の「ビフォー・アフター」です。

 

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‘‘ 栃木県宇都宮市のとある道。JR「宇都宮」駅から徒歩30分、東武鉄道「東武宇都宮」駅なら徒歩5分ほどの外れにあり、名前は「もみじ通り」といいます。
2007年に商店会が解散すると、空き店舗や空き住居が増えました。それが解散から約10年目を迎える今、新たに17軒の店舗や事務所が開業し、飲食店やギャラリー、子ども服店、美容室、ギターショップなどがそろい、落ち着いて暮らすには丁度いい通りに生まれ変わりました。 “

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では一体どのようにして、10年で商店街をよみがえらせたのでしょうか?

 

 

商店街復活のカギとなるリサーチ

 

商店街を復活させるカギとなったのは、僕たちセールスコピーラーターも大事にしている「リサーチ」です。

 

建築家の塩田さんが行ったのは、リサーチの1つである「ヒアリング」です。

 

以下、記事からの引用です。

 

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例として、とあるクライアントとのヒアリングの様子を教えてくれました。

“4月ぐらいに、昔ちっちゃい店舗をお手伝いしたお客さんがきました。その人は店舗を増やしていっていて、ちょっと大きくなってきたんですけど「豚を飼いたい」って相談にきたんですよ。ふふふ。

とんこつラーメン屋さんをやっているんですね。例えば寝る前にぼんやり考えても「あれにもつながりそうだしこれにもつながりそうだし、だから豚を飼おう」って寝るじゃないですか。でも起きたら「豚を飼おう」だけ頭に残っている。

そういう、考えがとっ散らかった感じで来たんです。”

話を整理しながら聞いていくうちに、クライアントは食材がどこでどう育ったかを伝えたいと思っていること、障害者雇用にも興味を抱いていることなどがわかってきました。そこで塩田さんが行ったのは、事業全体のマップを作成すること。その中でまずすべきこととして提案したのは、加工場をつくることでした。

“加工場ならハムやチャーシューをつくれるし、そうしたら他店にも卸せるし、飲食店を併設して、お客さんも呼べますよね。周りに豚がいて、畑も持つ。宇都宮市大谷町に耕作放棄地があるので、食材となる野菜や小麦を育てられる。

豚の糞は肥料になりますし、小麦は豚の餌になるので循環できます。大谷町は眺めのいい地域なので、バーベキューも提供できるかもしれない。そういう全体像をつくって、伝えました。

ただ、動き出すには紹介した場所が調整区域だったから役所と協議していかなきゃいけないし、地主さんに許可をいただく必要もある。それはぼくでもできるんだけど、ぼくが担当するとなると今年度はこれだけの費用がうちに必要ですよと。

そこでまずは資金調達から動きはじめました。建物をつくるのは来年以降からですね。”

想像を超える深入りでした。ここまで提案するのには理由があります。

“そこで事業が起こるんだったらちゃんと稼げてなくちゃいけないし、継続しなくちゃいけないし、そこの働いている人とか来る人がハッピーじゃなきゃ成り立たない。

まあ事業が成立するっていうようなのを含んでいるのが「空間」っていうか、「場所づくり」だと思っているんです。”

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お客様の要望のより奥深い部分まで入っていく塩田式ヒアリングは、セールスコピーライターのヒアリングと共通するものがありますね。

 

セールスコピーライターとしても見習わなければならない部分が多くあります。

 

そして、ヒアリングで聞き出した、お客様の要望を次々と実現していくのは素晴らしいですね。

 

ヒアリングの他にも、商店街復活のカギがもう1つあります

 

 

外注せずに、できる限り自分でやる

 

塩田さんは、ヒアリングで聞き出したお客様の要望に応えるために、建築家としてだけでなく、1人何役もこなしています。

以下、記事からの引用です。

 

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「全体に関われて“いれば”いい」。最初の頃そう考えていた塩田さんは、不動産仲介やプランニングなどを外注していました。

ただ、クライアントの気持ちが見えていなかったといいます。

”外注すればいいと思っていたんです。不動産部分は不動産屋に、設計部分は設計事務所に、工事なら大工に、グラフィックならデザイナーに、みたいな感じで働けばいいかなと思っていました。

でも、お客さんはうちに仕事を頼んでくれているんです。お客さんとコミュニケーションを重ねる中で「うちで設計できますよ」とか、約束を結んでいく。それが信頼になっていっていたんですね。

けれど、お客さんがいざ場所をつくるときに、とても重要視している部分を他の人に外注していたら「どうして振るの?」という話になりそうな感じがだんだんしてきたんですよ。

「塩田さんができるんでしょう?」
「まあできますけど……」
「じゃあ、やってよー」

というような話です。いくら信頼している外注先でも、あとから入ってきたらテイストが変わってきますし、コミュニケーションも取り直しになる。だから、やっぱり兼ねちゃったほうがいいことに気づきました。”

以来、できる仕事は全部請け負うようになります。不動産仲介も兼ねるため宅建も取りました。信頼に応えることが塩田さんの「空間プロデュース」の肝になったのです。

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1人何役もこなして建築家だけでなく、宅建を取って不動産仲介までされるというのはすごいですね。

 

見習うべきところとして、1人何役もこなすのは難しいとしても、できる限り信頼できるパートナー業者さんに依頼することで、お客様の信頼に応えられるのでははないかと思います。

 

 

まとめ

 

栃木県宇都宮市では、建築家の塩田大成さんが、「ヒアリング」と「建築家の枠にとらわれない仕事」により、見事に商店街を復活させました。

 

地方創生につながる商店街の復活という面で、セールスコピーライターの技術でもある「リサーチ」が役立ちます。

 

リサーチは、商店街の復活だけでなく、地方へ移住する方を増やすためにも活用できるかもしれません

 

大都市から地方への移住したい方へ「塩田式ヒアリング」を展開すれば、移住者と自治体との間の「ミスマッチ」を減らすことが期待できます。

 

その結果、より移住者の希望にあったピッタリの町作りができるでしょう。

 

セールスコピーライターの技術で、地方創生に貢献します。

この記事を書いた人

尾畠悠樹
尾畠悠樹代表/ITコーディネーター
システム開発と製造業のDX推進、製造業の企業価値を高めるプラットフォーム/ファクトリーサーチの運営を中心に、東京と名古屋を拠点に活動しています。
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